多趣味と深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ、映画レビューなどを書いていきます。

【ディスクレビュー】トリッキーに、正統派に、ロックをかき鳴らせ。Afterglow2ndシングル『Hey-day狂騒曲』

こんばんは、僕です。
ガルパ発バンド連続シングルリリースの真ん中、Afterglowの2ndシングル『Hey-day狂騒曲』のディスクレビューです。実はこのシングルを一番楽しみにしていました。聴いた瞬間から僕はもうこのシングルの虜です。2曲とも抜群にかっこいいので早速書いていきましょう。


Hey-day狂騒曲

Hey-day狂騒曲

目まぐるしく変化するトリッキーな展開

アフロとしてもバンドリの曲としても珍しい非常にトリッキーな曲です。BPMも早い上にそれぞれの楽器の演奏もかなり動いているので、演奏しようと思ったら多分一番難しいのではないでしょうか。とにかく目まぐるしく動き回る楽曲です。まるで何かに追われているような焦燥感が手数の細かいドラムによって演出されています。追随する他の楽器も刻みの激しい演奏や動きを見せるのでハラハラとした展開が楽しめます。AメロからBメロにかけて鳴らされるハウリングっぽいギターは幽霊っぽい不安定さを感じられて面白いですし、特にキーボードはドラム以上にせわしなく激しい演奏をしていて非常にスリリング。そしてめちゃくちゃかっこいいです。これをつぐみが演奏してるのかと思うと最高。一風変わった展開に意識を取られがちですが、演奏と音はとてもロックバンドらしいのではないでしょうか。

ロックになり過ぎないポップさとのバランス

音だけだとバンドリという『アニメとバンドの融合』がコンセプトであるコンテンツの曲としては、もしかするとロックすぎるかもしれないところを歌詞や歌のポップさでバランスを取っています。歌詞はとてもコミカルですし、蘭以外のメンバーによるコーラスはアニメっぽいポップさを出してくれています。悲鳴のところとかが特にそうですね。サビで四つ打ちになるのもキャッチーな取っ付きやすさを印象付けます。結果として抜群にかっこいい演奏とノリやすく楽しいアニソンの良さの両立に成功しています。また、蘭のボーカルが一本調子ではなく、囁くように歌ったり少しセクシーさを出していたりする点も声優ならではのテクニックと言えるかもしれません。

Scarlet Sky

正統派なバンドサウンドで表現されるエモさ

実にバンドらしい正統派なサウンドが堪りません。それほど大きくないライブハウスで聴きたい曲ナンバーワンです。イントロのギター→ベース→リードギター&ドラム&キーボードの流れやAメロのブリッジミュートなど、語ればキリのないバンドらしさに溢れています。本当にどこを切り取ってもバンドらしい曲です。まっすぐなバンドサウンドとメロディアスなキーボードが織り成すメロディーは言葉で語るのが野暮なくらいエモい。リードギターとキーボードの音色が寂寥感を演出し、聴けば誰の脳裏にもAfterglow(夕焼け)の情景が浮かぶに違いありません。まさしくこのバンドのためにある曲なのです。バンドリを知らないバンド好きたちに聴かせたら速攻食いつくに違いありません。

曲のエモさを引き立てる歌詞

そしてこの曲を語る上で欠かせないのはなんと言っても歌詞です。これもガルパ内のイベントストーリーを読めば詳しく分かりますが、中学時代に蘭が体験した思春期ならではの孤独感や、幼馴染であるバンドメンバーとの強い絆がまさに初期衝動と言った歌詞となって表現されています。曲×歌詞でエモさが留まるところを知りません。聴くたび曲が心に染みて泣いてしまいそうになります。この曲を聴く際には最低1度は歌詞カードを読みながら聴いていただきたいです。この曲で書かれた歌詞はとてもストレートでそれこそ陳腐かもしれませんが、だからこそガツンと胸に響く本当にエモい曲です。加えて蘭のボーカルがとてもまっすぐで、彼女の心からの言葉というのがひしひしと伝わってくるのも涙腺に来ます。

まとめ

2曲とも文句なしの名曲です。ぜひ聴いていただきたい。このシングルでかき鳴らされるロックはそれぞれタイプが違いますが、どちらもバンドリコンテンツとしての良さは残しつつバンドとしてのかっこよさも存分に表現されています。『Hey-day狂騒曲』ではトリッキーでめまぐるしい演奏とポップなボーカルに魅了され、『Scarlet Sky』では一直線な初期衝動のサウンドが心を貫くでしょう。蘭の担当声優の佐倉綾音さんの歌の上手さも目を見張ります。どっちもBPMかなり速いので歌うの難しいですし実際ライブでも上手かったわけですが、音程などの上手さ以上に『声優』として歌う歌の上手さが抜群だと感じます。蘭というキャラクターをしっかり捉え、蘭として歌われる曲たちにきっと心を揺さぶられるはずです。

おわりに

いや本当にどっちも良い曲なんでみんな聴いてくださいね。個人的には今まで発売されたバンドリの全シングルの中でもトップスリーに入る良さでした。これライブで聴きてぇ〜。3rdに収録されるであろう『Y.O.L.O!!!!!』もパンク味が強くてカッケェ曲なので楽しみです。個人的にサウンド面で今一番好きなのはAfterglowなんですよねぇ。『That Is How I Roll!』は今でも微妙なんですけど、他の曲が好みのドンピシャ過ぎて。僕の中ではポピパとの二大巨頭です。
さて、次回はハロハピの2ndシングルということで、こちらも非常に楽しみです。特に表題のあの曲は好みドストライクなので、フルが早く聴きたいですね。
それでは今回はこの辺りで、おやすみなさい〜。

Hey-day狂騒曲(カプリチオ)

Hey-day狂騒曲(カプリチオ)