多趣味と深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ、映画レビューなどを書いていきます。

【ディスクレビュー】恋を楽しむオシャレなポップソング 伊藤美来4thシングル『恋はMovie』

こんにちは、僕です。
普段はバンドリのディスクレビューばっかり書いてる僕ですが、もちろんバンドリ以外の曲もたくさん聞いています。日々様々なアーティストの曲に触れているので、これまでも度々「レビュー書きたいなぁ」と思うことはあったのですが、中々手が進まずにいました。そういうときは大体ツイッターで感想を呟いていたのですが、少しずつでもブログに書いていこうと思い、今回ディスクレビューでは初めてバンドリ以外について書いていきます。(ライブレポはバンドリ以外もありますが)

さて、今回どのアーティストのレビューを書こうかと悩んだのですが、声優の伊藤美来さんの4thシングル『恋はMovie』について書こうと思います。結局アニソン界隈かよって声が聞こえてきそうですが、この曲が僕の好みどストライクだったので仕方がありません。バンドのレビューとかはまた別の機会ということで。
実は元々彼女の曲は好きで、1stアルバムの『水彩 〜aquaveil〜』がどえらい名盤だったのをきっかけに完全にファンになってしまった僕なのです。こちらのレビューも書きたかったのですが、聞いたのがリリース後だいぶ経ってからで結局筆を取ることはありませんでした。しかし、この度ニューシングルのリリースということで書かなきゃいかんでしょうと思い立った次第です。要はこの曲が好きだということを話したくて仕方がなかったからバンドリ関連以外のレビューもやろうと決断したわけですね。
まぁこんな枕のどうでもいい話はここらで終わりとしましょう。相変わらず専門的な指摘などはできませんが、一ファンの邪推やここが好きなんだという想いの丈を吐露していきますので、それを読みたいという物好きな方々はよろしくお願いします。


恋はMovie

恋はMovie

まずタイトルからセンスがいい。これは期待できるぞと聴いてみると、ブラスとストリングスが楽しくオシャレな曲というのが第一印象。ブラスサウンド大好きマンな僕にとってはこの段階でも大好物な曲です。ブラスも良いんですが、ベースも良い音してて好きですね。楽曲通してこの二つはとても印象に残りました。また、小気味いいギターのカッティングもかっこいい。このギターがよりオシャレな雰囲気を醸し出してくれている気がします。伊藤さんのアーティスト活動に置ける楽曲の方向性は、基本的にはポップスソングに乗せて彼女の様々な等身大の魅力を表現していくと言うところにあると思うので、それとも合致した曲だと感じます。
全体的に華やかではあるけど派手ではない。楽しいけど盛り上がりすぎない。このさり気なさがすごく良いです。楽器の演奏や横揺れなリズムなどオシャレな要素はたくさんありますが、要所要所の音数の少なさがすごくオシャレ。加えてアニソンどころか昨今の音楽業界へのカウンターな匂いも感じ取れてすごいです。YouTubeサブスクリプション音楽配信サービスの影響で音楽が聴きやすくなった反面、退屈だと思われるとすぐに別の曲に移られてしまう昨今は、曲の派手さがとても重要になっている気がします。そんな中で少ない音数ながらもブラスとストリングスでしっかり寂しくない雰囲気を作り、インストで繰り返し聴いてしまうようなオシャレサウンドになっているのが素晴らしいなと思いました。ギターとか本当に最低限の仕事してるって感じですけど、それでもしっかり存在感もあるし。音の隙間の使い方がすごい上手いと感じました。
インストでも大満足ですがこれまた歌詞も歌もいい。アルバムで表現された『等身大』はどちらかというと『等身大の背伸び』というところにフォーカスされていたものが多かったですが、この曲では『等身大に恋を楽しむ』様子が非常に可愛らしく歌い上げられています。コンセプトとしてはデビューシングルの「泡とベルベーヌ」にも似ていますが、あちらは少女が恋に浮かれているような歌詞であるのに対して、こちらは一歩進んで少し大人に恋を楽しんでいる様子が描かれています。伊藤さんの成長に伴い、表現される世界観も変わっているのかもしれません。ここの成長は「街角にてすれ違う青春に 幸せ注ぐように なんて願いをかけた」という歌詞から感じられるのではないでしょうか。大人の余裕みたいなのが見える気がしますね。
少し大人になったことに加え、この曲では自身を映画の主人公のように置き換えて恋をプロデュースしているので、歌詞で使われる言葉もちょっと気取っていたり物語の主人公風なのがまた可愛いポイントです。そう思いながら歌詞を読むと「浮かれてるなぁ」と思ったりもするので、ある意味「泡とベルベーヌ」としっかり繋がった物語と言えるかもしれませんね。街角ですれ違った青春というのは、もしかすると「泡とベルベーヌ」で歌われる女の子のことなのかもしれないと思うと、なんだかより楽しく歌詞を読むことができます。



all yours

こちらの曲はとてもキラキラした元気溢れる一曲。「恋はMovie」とは違いますが、これもまた伊藤さんらしい曲であると思います。カップリングらしい曲でもありますが、言い換えれば強い個性がない分アルバムに収録された時にどんな変化や色付けがされるのかが楽しみな曲でもあります。
さて、この曲は作詞が伊藤さん本人ということでアルバムに収録されていた「あお信号」以来2作目の作詞曲になりました。自分の全てはファンのためのものなんだという想いを歌詞に乗せたとのことですが、そんなこと言われたら泣いてしまいます。なんて良い子なんだ……とても同い年とは思えない……。
ともかく、ファンにとってはとても嬉しいメッセージが込められている曲ですね。同時にファンのことを大切に思ってくれている伊藤さんの人柄も現れている、優しい歌詞だと感じました。要約すると「自分は君だけのためのものだから、辛いことがあったら会いに来て」というような歌詞なんですが、声も笑顔も自分の全てはファンのためのものなんて、中々言えることじゃないですよ。すごくファン想いだしすごく優しい。そうした伊藤さん自身の想いを歌うからか、歌い方も大人っぽい可愛さがあった「恋はMovie」と違って芯のある強さを感じます。
「あお信号」の時も思いましたが、良い歌詞書くなぁとつくづく思います。今後も作詞は続けていってもらいたいですね。
ファンのことを想って歌うファンのための曲でたり、クラップはファンの方が収録したものなのでファンの力で完成した曲でもあるという側面も持つこの曲は、伊藤さんとファンを繋ぎ彼女を身近に感じることのできるとても大切な曲になっていきそうです。


おわりに

あからさまに「恋はMovie」の方が文章量多くて笑ってしまいましたが、いかがでしょうか。今回の曲はアルバムを経て固まったアーティスト像がしっかり表現された2曲だったのではないかと思っています。僕が聴いている声優アーティストの中で伊藤さんはコンセプトもはっきりしていて曲も強く、ポップスとしても十分勝負できる素晴らしいアーティストだと思っています。コールが楽しい盛り上がれる曲も声優アーティストの魅力ですが、こうしたアーティスト志向の高い曲が集まる声優アーティストも良いものです。個人的に今一番注目している声優アーティストなので、今後もリリースを追いかけていきたいと思います。
それでは今回はこの辺りで。さようならー。

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