声優・バンドの深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ中心に書いていきます。

【ディスクレビュー】はじまりへの回帰はひとつの区切りなのか Poppin'Party 15thシングル『イニシャル/夢を撃ち抜く瞬間に!』

こんにちは、僕です。

今回はPoppin'Partyの両A面15thシングル『イニシャル/夢を撃ち抜く瞬間に!』のディスクレビューです。
キラキラver.とドキドキver.の2形態がカップリング曲違いで発売され、そんな売り方をするんじゃないと憤慨しながら2枚とも買いました。そんな訳で計4曲収録と、普段より1曲多い訳ですが、完全新規曲は表題曲のみですね。アニメ3期の展開を占う上で重要なキーワードになる楽曲ですので、いつも通り深読みしていこうと思います。

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イニシャル

公式の説明文にも「ティアドロップス」や「Time Lapse」の系譜に連なるロックチューンとありますが、個人的には同じ系譜でも雰囲気は異なり、上述した2曲と比較して今回の方がシリアスなムードが感じられます。ヒリヒリした焦燥感があって、これまでのポピパにはなかった曲だと言えます。ならばこれまでの曲と雰囲気が全然違うのかと言われるとそんなことはありません。やはり5人全員が歌うことで一気にポピパの曲になっています。焦燥感があるといっても何かをしなければならないというような焦りを感じるようなことはなく、本当にシリアスな曲になってはいないです。どこか余裕があるというか、緊張感を乗りこなしてポピパらしいキャッチーさを落とし込んでいます。
2ndシーズンOP曲であった「キズナミュージック♪」とも音の雰囲気は対照的ですが、サビに切なさが乗るのは共通点ですし、これもポピパの特徴の一つです。

3rdシーズンOP曲ということで、アニメの展開を予見させる要素が散らばっていると思います。
そもそも曲名が「イニシャル」というのが意味深ですね。イニシャルと言えば「頭文字」のことですし、歌詞の内容を見ても1期の展開をほうふつとさせる言葉やかつてのポピパを回顧するような言葉が多く使われています。初心に帰るではありませんが、2ndシーズンで絆を確かめ合ったポピパメンバーの「何故バンドを始めたのか」という原点回帰や「バンドをどうして続けるのか、どうして行きたいのか」という未来に向けたテーマが提示されている気がしますね。
とりわけポピパには、バンドとしての夢や目標と言ったものがありません。戸山香澄という一番星に導かれた4人が、香澄の初期衝動である「キラキラドキドキ」を一緒に追いかけているのがPoppin'Partyなのです。ここが他のバンドとの大きな違いになります。大なり小なり、他の5バンドには「バンドがどうなりたいのか、バンドをどうしたいのか」という夢や目標があるのです。3rdシーズンではポピパがそれを見つける物語になるのではと深読みしています。
少なくともこれまでの軌跡が大きく関係してくるであろうと思っているのですが、キラキラver.のジャケットを見ると予感が確信に近付きます。

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メンバーの背後に様々なものが見えますが、全てこれまでリリースした楽曲に関連したものが配置されています。シングル表題曲だけかと思いましたが「Happy Happy Party!」や「1000回潤んだ空」もありますし、そういう訳ではなさそうです。これを見た限りでは、3rdシーズンはポピパの物語が一つの区切りを迎えるのではと予想しています。
これとは関係ないですが、個人的に『地球は誰のものかって? そんなことよりもI Love You』という歌詞はパンチラインだと思います。

夢を撃ち抜く瞬間に!

「イニシャル」とは一変して分かりやすくポピパな曲ですね。非常にED曲っぽく、シンガロングもあるのでライブでも楽しそうな曲です。楽しそうな曲なのですが、どことなく卒業ソング的な雰囲気も感じられます。アニメの放送が終わる頃には3月ですし、作中で卒業……は大げさですが、少なくともこれでバンドリのアニメは完結、もしくは暫く予定がないのかなと感じました。
そう思った理由は何も曲調だけでなく、もっと大きな理由があります。この「夢を撃ち抜く瞬間に!」という曲は、1stシングル「Yes! BanG_Dream!」のアンサーソング的な曲だと思ったからです。

まずタイトルですが、これは言わずもがな「バンドリ」の名前の意味と同じです。バンドリにはそもそも「夢を撃ち抜け!」という意味があります。この時点で特別感が醸し出されています。
そして歌詞なのですが、実はかなり「Yes! BanG_Dream!」を意識した言葉が使われています。現段階で僕が気付いたものだけでも列挙してみましょう。

  • 今回「夢のかけら」→イエバン「星のかけら」
  • 今回「踏み出す キミの背中」→イエバン「踏み出すキミを 待ち続けてる」
  • 今回「これ以上 待てないから」→イエバン「踏み出すキミを 待ち続けてる」
  • 今回「約束したあの場所」→イエバン「交わした約束が呼んでいる」
  • 今回「キミを繋いだメロディ」→イエバン「キミと夢を繋ぐメロディ」
  • 今回「無敵のうた」→イエバン「無敵で最高のうたを!」
  • 今回「未来のドア 開けて」→イエバン「明日のドア ノックして」

僕が気付いただけでもこれだけあるので、他にもあるのではないかと思います。結構露骨に同じワードを使ったり、歌詞が物語に合わせて進展したように書かれていますね。イエバンを踏襲した曲であるのは、ほぼ間違いないと思います。(インタビューなどで情報出ていたら滑稽ですが)

SAKURA MEMORIES

ガルパ内で進級するタイミングのイベントで使われた楽曲ですので、桜をモチーフにしたシーズンソングになっています。香澄が学年代表としてスピーチをする内容のイベントなので、歌詞の内容もそういったメッセージ性が強いです。そういった部分に、全員で歌うポピパの個性がより良い方向で作用している気がします。前にも何処かで書きましたが、やっぱり合唱って心を揺さぶられるんですよね。「青春」で言うとAfterglowの印象がありますが、それらひっくるめた「学生時代」の、とりわけ友情という部分ではポピパがやはり強いです。また、歌い出しの声が普段より優しく語り掛けるような歌い方なのも良いと思います。

歌詞は前述の通りメッセージ性があって、普通に良いこと言ってるな~程度の印象だったのですが、一つ引っかかったというか気に入っている部分があります。Bメロのボーカルリレーに出てくる歌詞なのですが「泣く」という行為を悲しい涙で表現していないのが、すごくポジティブで良いなぁと思っています。選んだ言葉が「もらい泣き」と「嬉し泣き」なんですよね。このお陰でグッと学生時代のキラキラした思い出の印象が深まっています。

アニバーサリー

その名の通りアニバーサリーソングですね。底抜けに明るい曲、ポピパらしいです。リードギターが動きまくってて大変良いですよ。ポピパの中でもかなり可愛らしい曲だと思いますが、しっかりしたバンドサウンドなので、アニソンっぽさにとって一番大切なのはボーカルとそのメロディラインなのかなと感じました。中々セトリに入れにくそうな曲ですね。
みんな思ってると思いますけど最初の部分、タマホームのCMみたいですよね。どうでもいいですが。

ポピパの思い出を振り返りながらの歌詞ですが、そんななんてことない毎日を記念日にして歌うというのもポピパらしいし、楽しい発想ですね。去年の今日を思い出して歌おうといっていますし、彼女達にとっては毎日が記念日なんです。羨ましい限りだ。しかも『たぶんそんな 記念日!』の適当さ。香澄っぽいですね。たまにこういう能天気な歌詞の曲が来ますが、結構好きなんです。