エンタメ感想製作所

音楽や映画、ゲームなどの感想・レビューを素人なりに投稿。専門知識はないけど好きな気持ちは皆平等。

【ディスクレビュー】スタンド席まで吹っ飛ばす笑顔の大砲 ハロー、ハッピーワールド! 7thシングル「うぃーきゃん☆フレフレっ!」

ハロハピと応援歌は非常に相性がいい。
エールソングのような曲はポピパなど他のバンドも披露しているが、ハロハピが持っている底抜けな明るさは、強烈なエネルギーを持っている。
深い理由や込み入った事情はないメッセージかもしれないが、誰かの背中を押す力は最も強いのが、ハロハピが歌うエールソングである。
今回の7thシングル「うぃーきゃん☆フレフレっ!」では、彼女達の得意とするもの全てが存分に発揮されていた。

f:id:shun0017:20201206152437j:plain


うぃーきゃん☆フレフレっ!

ブラスサウンドがふんだんに使われ、とても賑やかな印象を受ける曲。まさしくハロハピらしい曲と言えるだろう。
ジャケットイラストや歌詞からも分かるように野球やソフトボールをイメージした曲のため、ブラスサウンド吹奏楽の応援曲のようにも聞こえてくる。元々マーチングバンドを意識した衣装を着ていたこともあったが、ハロハピの特性と吹奏楽はマッチしている。

お馴染みのメンバー全員によるコーラスワークが特徴的だが、ガルパでははぐみ関連のイベント曲だったため、実質的にははぐみとのツインボーカル構成と言ってもいいかもしれない。事実、こころを除いてソロパートが多いのははぐみであり、最初にこころの次で歌うのもはぐみだ。コーラス部分でも普段よりはぐみの声が前面に押し出されて聞こえてくる。

曲自体が賑やかなのは間違いないが、それ以上にコーラスワークや歌詞が賑やかだ。特に歌詞はいつものことながら超前向きで、こちらを全肯定してくるようなものとなっている。目の前でこの曲を演奏されたら、何か悩みがあっても悩んでいるのが馬鹿らしくなってしまうかもしれない。
すごく無邪気で深いことは言っていない歌詞ではあるのだが、決して浅い歌詞という訳でもない。「生き方にルールなんてない」や「キミを知りボクを知ることで ひとりじゃないって気づいてほしいんだ」といった歌詞からは、無邪気だからこそハッさせられるものもある。
何かをするにあたり、自分が自分を信じてやらずにどうするのかといったことを気付かせてくれるはずだ。

直視するとこっぱずかしい歌詞かもしれないが、これだけ肯定してくれる曲もそうそうないというか、ある種アニソンだからできることの一つかもしれない。
とにかく一人残さず笑顔にしてやろうという、ハロハピらしさマックスな曲であった。

えがお、み〜っけた!

暖かみと優しいタッチを感じるバンドサウンドと、鍵盤ハーモニカやピアノが縦横無尽に響かせる美しい旋律で織りなすハーモニーが、僕の心をくすぐってくる。
歌が入るとより一層弱い部分を刺激されるようで、聞くたび少し涙腺が緩んでいしまう曲だ。特にイントロなどで出てくる「ラララ」のコーラスがメロディ―と合わせてクるものがある。こういうのに弱い。

木琴やトライアングルの音も使われるが、温かい木漏れ日の中で生き物たちが楽しそうに遊んでいる情景が浮かび上がってくるようだ。歌詞の中にもそういった言葉が扱われ、春夏秋冬で色々な顔を持つ自然の楽しさを、どこまでも明るく歌っている。

都会に住んでいても自然は常に身近にあって、四季折々の姿を見せてくれる。そんな当たり前がとても面白いもので、特別な価値があるということを教えてくれている。
自然に対して楽しさを見出す感覚は、きっと子どものうちはみんなが持っていて、大人になるにつれて薄れていくものだと思う。大人になってもそれらが美しく、楽しく、尊いものであるのに変わりはない。僕自身は自然や生き物が大好きではあるが、この曲を聞いて改めて、自分の周りに広がる景色が持っている"特別な当たり前"を、ハロハピから教えられた気がする。

終わりに

つくづくハロハピの曲はこころの声にぴったりなんだなと、今回のシングルを以って再認識した気がする。
彼女の歌声は底抜けに明るく、それでいて優しさも兼ね備えている歌声だと思う。そもそも僕は伊藤未来さんのファンではあるのだが、それを差し引いても表現力がある人だと改めて感じた。
何か嫌なことがあった人や悩み事がある人は、このシングルを爆音で30回ほど聞いてみよう。嫌でも前向きになれるはずだ。

それではまた次回!



アニメソングランキング