エンタメ感想製作所

音楽や映画、ゲームなどの感想・レビューを素人なりに投稿。専門知識はないけど好きな気持ちは皆平等。

【ディスクレビュー】切なさのエッセンスを取り入れ、新たな季節への布石を打つ Poppin'Party 11thシングル『ガールズコード』

こんにちは、僕です。
今回はPoppin'Partyの11thシングル『ガールズコード』のディスクレビューです。約1ヶ月ぶりのバンドリ楽曲のレビューになります。

このシングルより前にTHE THIRD(仮)のライブアルバムと、配信曲の『ひとりじゃないんだから』のリリースもありましたが、先にこちらのレビューを書きたいと思います。ライブアルバムについては今回は書きませんが、12月にRAISE A SUILENとしての正式な1stシングルが発売されますので、そちらからレビューを書きたいと思います。『ひとりじゃないんだから』は諸般の事情で11日以降に購入するので、レビューはその後に書く予定です。

という訳で、今回のレビューを始めていきたいと思います。これまでのポピパ楽曲とはまた一味違う2曲を自分なりに読み解いていきます。



ガールズコード

ガールズコード

表題曲である『ガールズコード』はミディアムテンポのナンバーです。ギターの音作りやアルペジオとキーボードの重なり合う旋律が、どことなく切ないメロディーを作り上げています。

個人的にこのテンポ感の曲はポップで楽しい曲と並んでポピパの十八番なのではと感じています。「青春」という漠然としながらも大きな一本筋のあるテーマを最も美しく演出してくれるテンポ感に感じます。
この音色が「夏の終わり」と「秋の到来」を連想させ、発売日の10月という季節の変わり目に相応しい曲に仕上がっているのではないかと思います。
長らくRoselia楽曲の制作に携わっていた藤永龍太郎さんが久々にポピパの曲に携わっているのも、ファンにとってはポピパの空気の変わり目のように作用しているかもしれません。

女の子のお約束が歌われる歌詞は、ガルパのプレイしている人だけが「あれのことだ」と分かる歌詞を織り交ぜながら、等身大の女子高生の日常や休日の一コマが描かれています。
曲名の『ガールズコード』とは和音の「コード」ではなく、符号や約束という意味の「コード」として使われているということですね。ちなみに僕が最初に曲名を見たときは、和音の「コード」と「ドレスコード」的な意味をかけていると思っていました。和音の方は深読みでしたが、「ドレスコード」の方はあながち間違ってもなかったようです。

余談はさておき、歌詞は表現的にも気楽に書いているような、まさしく等身大な表現が多くなっています。顔文字が歌詞中に出てきたりするのも、友達同士の何気ない会話の一幕のような印象を覚えます。
全体的にポピパの曲の中でもポップな歌詞で、初期曲のような雰囲気も感じます。思わず口ずさみたくなる『Check Check One Two!』という歌詞を筆頭に、少しゆったりした曲ながらもキャッチーさは健在です。
かと思うと『寂しいことも 泣いちゃうことも 言わない約束なのに わたしはもしかして みんなと出会うため ギターを好きになったの? そんなことを真顔で 言わないでよ』と香澄らしい明るい歌詞以外にも、思わずドキリとする歌詞もあります。

個人的にラストの『夜を止めて』という歌詞がめちゃくちゃ良いなと思っています。香澄からこの言葉が溢れるギャップもありますし、この一言だけで名残惜しさや寂しさから今の楽しさまで一気に表現しているのが刺さります。リフレインするのもグッと来ます。

切ないSandglass

謡曲らしさと和テイストを複合した、盛り上がりながらも切ないというこれまでの曲にはあまりなかったタイプの曲ですね。キーボードが切なげな曲の雰囲気を一気に手繰り寄せています。
『ガールズコード』が「夏の終わり」と「秋の到来」を描いているとすると、こちらはより具体的に過ぎ去る季節を連想させますし、「冬の寂しさ」みたいなものも感じる気がします。

インストだけで聴いてもこの切ない雰囲気は伝わるのですが、やはりボーカルが乗ると一層それが強調されるように思います。愛美さんの歌の表現がとても良いです。
先ほども香澄の二面性の話はしましたが、この曲でも普段の明るい歌い方のギャップが刺さります。特に愛美さんのファルセットや喉に引っかかったような掠れた歌い方が、非常に良いです。
サビではメンバーも一緒に歌いますが、やはりボーカル以外のメンバーも全員一緒に歌うパートが存在すると心を揺さぶられるものがありますね。人間って潜在的に『合唱』というものに感傷を覚えるようにできている気がします。

そしてまた歌詞の方が「香澄こんな歌詞書けるのか!」というような歌詞。
香澄は常に真っ直ぐで明るいというところが目立ちがちですが、アニメでも描かれたようにそれだけではない繊細さや弱さも併せ持っています。今回の歌詞はそんなところが少し顔を見せている歌詞にも感じられます。
香澄が書いたにしては奥深く感じる歌詞ですが、原作者の中村航先生曰く「香澄は中学時代、読書家だった」という設定があるらしく、彼女ならこれくらい書けると感じて歌詞を書いているそうです。

それと、歌詞の中に「恋」という単語が入ったのは今回が初めてだそうです。キャラクターに恋を歌わせると物語そのものに関わってしまうので今まで中々使えないでいたそうなのですが、今回はラブソングではないですし広い意味で「恋」を歌っているので、そうした心配もないですね。

さて、春夏秋冬季節が巡る中で終わってしまう青春への想いが歌われる曲ですが、歌詞のテーマは『ガールズコード』と一貫して「寂しさ」というところにあるように思います。
『ガールズコード』は友達との休日の一幕という「一日」の出来事を背景にもっとカジュアルな表現していましたが、『切ないSandglass』では『ガールズコード』を内包した「春夏秋冬過ぎ去る青春」というもっと大きな枠組みで「寂しさ」を歌っています。シングルの中でもストーリー立てがなされているということです。

また、これは完全に僕の私見なのですが、この歌詞からアニメの新シリーズも意識してしまいました。
アニメではこれまで夏までのエピソードが描かれ、2期からは秋以降の季節が描かれる訳です。そしてその中で、キャラクター達は進級というイベントを迎えることにもなります。
勿論そこまで到達せずに終わる可能性は高いですが、所謂サザエさん時空な話ではないのでシリーズが続けばいつかは卒業が描かれる日が来るかもしれません。
そうした長い目で見た時の先の展開、2期3期を超えた更に「新シリーズ」というところに向けても繋がっていく歌詞なのではないかと深読みしてしまいました。

この11thシングルはこれまで話した様々な意味を含めて、一つの転換期や変わり目としての意味もあるのかなと感じています。


終わりに

結構投稿まで時間がかかってしまい申し訳ないです。色々やることやりたいことがありまして……。毎度新しい一面を見せてくれるポピパですが、今回もまたそうしたところを見せてくれたかなと思います。早くライブで聴きたいところです。
曲がどんどん難しくなっているところも、製作陣からの信頼を感じますね。

さて、予告しました「ひとりじゃないんだから」のレビューですが、先日無事楽曲を購入したのでじきに投稿出来ると思います。気長にお待ちください。
それでは今回はこの辺りで。さようならー。

ガールズコード

ガールズコード

  • アーティスト:Poppin'Party
  • 発売日: 2018/10/03
  • メディア: CD

僕の初一人お渡し会は伊藤美来さん

こんにちは、僕です。
珍しく連日の投稿をしています。休みで暇だからということもありますけど、単純に筆が乗ってるので今のうちに書いてしまえというところです。

タイトルで一目瞭然ですし先日投稿した記事でも少し触れていましたが、秋葉原ゲーマーズにて伊藤美来さんの「恋はMovie」リリース記念イベント&特典お渡し会の方に参加していました。元々ブログに書くつもりはなかったんですが、前述の通り筆が乗っているということもありせっかくなら書いてしまおうと思いこうして書いています。
長年オタクやってる僕ですが、実はお渡し会みたいな接近系のイベントってほとんど参加したことがありませんでした。一応数年前に「ようこそジャパリパークへ」のお渡し会には参加したことがあったのですが、その時は友人に誘われて一緒に行っていたので完全に一人で参加するというのは、今回が初めてです。こうしたイベントを避けていたわけではないのですが、なんとなく敷居が高くてずっと参加してこなかったのですが、せっかく応募券を貰ったのなら当たるか分からないけど出してみようと思い、見事当選させてもらいました。

今回のイベントは3列目という好条件で見ることができまして、初めて間近で伊藤さんを見ることができました。ガルパライブやアニサマでも見てるんですが流石に遠かったですからね。普段画面越しに見ている相手がすぐ近くで見られるって当たり前ですけどテンション上がりますよね。まぁトークを聞くのは僕も色々なイベント行ってるので慣れていますし、いくら近いと言えども直接会話をするわけではないので普通に楽しませてもらいました。
そしてお待ちかねのお渡し会ですが、何だかんだ緊張らしい緊張はほとんどしませんでした。待ってる間何話そうとか、みんなどんなこと話すんだろうと多少浮き足立っていたのは間違いないんですが、直前には自然体に戻ってました。元々本番直前になるとそれまで緊張していても吹っ切れるのか一気に緊張が引くタイプなので、もっとガチガチに緊張していたとしても話さなきゃいけなくなれば普通に話せていたかなとは思います。
肝心の感想なんですが……。信じられんくらい可愛い以外の感情を失いました。いやほんと、いざ目の前に立つとこんな可愛いのか?って……。めっちゃ可愛い、何だアレ。こりゃみんなお渡し会行くわけだと納得しました。話した内容自体は「僕も今年大学卒業です」という普通なことでしたし、ごく自然に会話できていたのですがいい意味で内心穏やかではなかったです。なんか夢見てるみたいな感覚でしたが、紛れも無い現実ですもんね。可愛かったなぁ。

ちょっと不安もあったんですがすごく楽しかったですし、こんな近くで伊藤さんを見られて会話までできるって最高ですね。ここに来てオタクの深淵に一歩近づいてしまいました。女性声優と会話できるイベントって素晴らしい。また機会があればこうしたイベントは是非参加したいなと思います。来年から働き始める僕ですが、会社は神田だから秋葉原で予約しなきゃならないイベントも予約簡単だし、単純にお金も今より使えるからどんどん沼にはまりそうで今から怖いです。というか今回の記事、本当に身がないというかなんというか……。長いツイッターって感じですね。まぁ普段レビューとか書いてるから変に思うだけで、本来ブログってこんなもんですかね。
それではまた別の記事でお会いしましょう。さようならー。

【ディスクレビュー】恋を楽しむオシャレなポップソング 伊藤美来4thシングル『恋はMovie』

こんにちは、僕です。
普段はバンドリのディスクレビューばっかり書いてる僕ですが、もちろんバンドリ以外の曲もたくさん聞いています。日々様々なアーティストの曲に触れているので、これまでも度々「レビュー書きたいなぁ」と思うことはあったのですが、中々手が進まずにいました。そういうときは大体ツイッターで感想を呟いていたのですが、少しずつでもブログに書いていこうと思い、今回ディスクレビューでは初めてバンドリ以外について書いていきます。(ライブレポはバンドリ以外もありますが)

さて、今回どのアーティストのレビューを書こうかと悩んだのですが、声優の伊藤美来さんの4thシングル『恋はMovie』について書こうと思います。結局アニソン界隈かよって声が聞こえてきそうですが、この曲が僕の好みどストライクだったので仕方がありません。バンドのレビューとかはまた別の機会ということで。
実は元々彼女の曲は好きで、1stアルバムの『水彩 〜aquaveil〜』がどえらい名盤だったのをきっかけに完全にファンになってしまった僕なのです。こちらのレビューも書きたかったのですが、聞いたのがリリース後だいぶ経ってからで結局筆を取ることはありませんでした。しかし、この度ニューシングルのリリースということで書かなきゃいかんでしょうと思い立った次第です。要はこの曲が好きだということを話したくて仕方がなかったからバンドリ関連以外のレビューもやろうと決断したわけですね。
まぁこんな枕のどうでもいい話はここらで終わりとしましょう。相変わらず専門的な指摘などはできませんが、一ファンの邪推やここが好きなんだという想いの丈を吐露していきますので、それを読みたいという物好きな方々はよろしくお願いします。


恋はMovie

恋はMovie

まずタイトルからセンスがいい。これは期待できるぞと聴いてみると、ブラスとストリングスが楽しくオシャレな曲というのが第一印象。ブラスサウンド大好きマンな僕にとってはこの段階でも大好物な曲です。ブラスも良いんですが、ベースも良い音してて好きですね。楽曲通してこの二つはとても印象に残りました。また、小気味いいギターのカッティングもかっこいい。このギターがよりオシャレな雰囲気を醸し出してくれている気がします。伊藤さんのアーティスト活動に置ける楽曲の方向性は、基本的にはポップスソングに乗せて彼女の様々な等身大の魅力を表現していくと言うところにあると思うので、それとも合致した曲だと感じます。
全体的に華やかではあるけど派手ではない。楽しいけど盛り上がりすぎない。このさり気なさがすごく良いです。楽器の演奏や横揺れなリズムなどオシャレな要素はたくさんありますが、要所要所の音数の少なさがすごくオシャレ。加えてアニソンどころか昨今の音楽業界へのカウンターな匂いも感じ取れてすごいです。YouTubeサブスクリプション音楽配信サービスの影響で音楽が聴きやすくなった反面、退屈だと思われるとすぐに別の曲に移られてしまう昨今は、曲の派手さがとても重要になっている気がします。そんな中で少ない音数ながらもブラスとストリングスでしっかり寂しくない雰囲気を作り、インストで繰り返し聴いてしまうようなオシャレサウンドになっているのが素晴らしいなと思いました。ギターとか本当に最低限の仕事してるって感じですけど、それでもしっかり存在感もあるし。音の隙間の使い方がすごい上手いと感じました。
インストでも大満足ですがこれまた歌詞も歌もいい。アルバムで表現された『等身大』はどちらかというと『等身大の背伸び』というところにフォーカスされていたものが多かったですが、この曲では『等身大に恋を楽しむ』様子が非常に可愛らしく歌い上げられています。コンセプトとしてはデビューシングルの「泡とベルベーヌ」にも似ていますが、あちらは少女が恋に浮かれているような歌詞であるのに対して、こちらは一歩進んで少し大人に恋を楽しんでいる様子が描かれています。伊藤さんの成長に伴い、表現される世界観も変わっているのかもしれません。ここの成長は「街角にてすれ違う青春に 幸せ注ぐように なんて願いをかけた」という歌詞から感じられるのではないでしょうか。大人の余裕みたいなのが見える気がしますね。
少し大人になったことに加え、この曲では自身を映画の主人公のように置き換えて恋をプロデュースしているので、歌詞で使われる言葉もちょっと気取っていたり物語の主人公風なのがまた可愛いポイントです。そう思いながら歌詞を読むと「浮かれてるなぁ」と思ったりもするので、ある意味「泡とベルベーヌ」としっかり繋がった物語と言えるかもしれませんね。街角ですれ違った青春というのは、もしかすると「泡とベルベーヌ」で歌われる女の子のことなのかもしれないと思うと、なんだかより楽しく歌詞を読むことができます。



all yours

こちらの曲はとてもキラキラした元気溢れる一曲。「恋はMovie」とは違いますが、これもまた伊藤さんらしい曲であると思います。カップリングらしい曲でもありますが、言い換えれば強い個性がない分アルバムに収録された時にどんな変化や色付けがされるのかが楽しみな曲でもあります。
さて、この曲は作詞が伊藤さん本人ということでアルバムに収録されていた「あお信号」以来2作目の作詞曲になりました。自分の全てはファンのためのものなんだという想いを歌詞に乗せたとのことですが、そんなこと言われたら泣いてしまいます。なんて良い子なんだ……とても同い年とは思えない……。
ともかく、ファンにとってはとても嬉しいメッセージが込められている曲ですね。同時にファンのことを大切に思ってくれている伊藤さんの人柄も現れている、優しい歌詞だと感じました。要約すると「自分は君だけのためのものだから、辛いことがあったら会いに来て」というような歌詞なんですが、声も笑顔も自分の全てはファンのためのものなんて、中々言えることじゃないですよ。すごくファン想いだしすごく優しい。そうした伊藤さん自身の想いを歌うからか、歌い方も大人っぽい可愛さがあった「恋はMovie」と違って芯のある強さを感じます。
「あお信号」の時も思いましたが、良い歌詞書くなぁとつくづく思います。今後も作詞は続けていってもらいたいですね。
ファンのことを想って歌うファンのための曲でたり、クラップはファンの方が収録したものなのでファンの力で完成した曲でもあるという側面も持つこの曲は、伊藤さんとファンを繋ぎ彼女を身近に感じることのできるとても大切な曲になっていきそうです。


おわりに

あからさまに「恋はMovie」の方が文章量多くて笑ってしまいましたが、いかがでしょうか。今回の曲はアルバムを経て固まったアーティスト像がしっかり表現された2曲だったのではないかと思っています。僕が聴いている声優アーティストの中で伊藤さんはコンセプトもはっきりしていて曲も強く、ポップスとしても十分勝負できる素晴らしいアーティストだと思っています。コールが楽しい盛り上がれる曲も声優アーティストの魅力ですが、こうしたアーティスト志向の高い曲が集まる声優アーティストも良いものです。個人的に今一番注目している声優アーティストなので、今後もリリースを追いかけていきたいと思います。
それでは今回はこの辺りで。さようならー。

恋はMovie(初回限定盤B)(DVD付)

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