エンタメ感想製作所

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【ディスクレビュー】そのどれもが彼女の歩いた軌跡となる Roselia 5thシングル『Opera of the wasteland』

こんにちは、僕です。
今回のディスクレビューはRoseliaの5thシングル『Opera of the wasteland』です。壮大なファンタジー風楽曲と初のバラード曲の2曲構成なシングルです。表題曲にももちろん注目ですが、今回の目玉は2曲目なのは間違いないでしょう。それでは早速書いていきます。


Opera of the wasteland

Opera of the wasteland

荘厳なオルガンが奏でられ、堰を切ったように激しい演奏が繰り広げられるイントロからは既にファンタジーの匂いが感じられます。楽曲中では絶えず壮大なストリングスが響きます。AメロBメロでは少し閉塞感のようなものも感じますが、サビに突入すると一気にそれから解放され、広大に広がるファンタジー世界を想起させますね。使われている音自体はこれまでの楽曲にも登場したものですし、基盤となる演奏の重厚感も変わりませんが、そこにしっかりとファンタジー風な味付けがされている楽曲と言えるのではないでしょうか。個人的には助走をしているかのようなサビ直前の刻みから繋がるサビの疾走感が堪りません。
ボーカルも曲の展開に合わせて変化していて、サビ突入後のパワフルさがとてもかっこいいです。特に1番のAメロBメロからサビでの変化は分かりやすいですね。柔らかめの歌い方からギアを入れたように鋭く力強い歌い方になります。高音でもパワフルさを損なわないのは相羽さんの魅力の一つですね。

軌跡

Roseliaの曲には今までなかった非常に優しい音色のザ・バラードなこの曲ですが、言うまでもなく5月に引退なされる今井リサ役遠藤ゆりかさんのための曲です。キーボードとシンセサイザーのピコピコ音が基調となるとても切ない曲で、リズム隊は2分を超えるまで演奏に参加しません。途中から聞こえてくるストリングスも切なさを助長します。音数が一気に増えるサビはインストで聴いていてもグッと込み上げてくるものがあります。
と、ここまで曲について書きましたが、なんといってもこの曲は歌詞が良いです。どこも良いので詳しくは各々歌詞を調べていただければと思います。今回は一部の歌詞とボーカルについて書いていきます。
とにかく『ありがとう』が歌われ続ける真っ直ぐなメッセージソングで、ある意味Roseliaらしいとも感じました。なんだか友希那はこういうバラードで回りくどいことを歌ったりはしなさそうですので。個人的にバラードは曲とボーカルの相乗効果が最も現れやすいと思っています。この『軌跡』もボーカルが乗ることで割り増しで泣けます。気持ちが非常に乗ったボーカルというのが実によく伝わります。優しく、そして強く、友希那の声を通して相羽さんの想いが表現されています。演奏が落ち着いている時の優しい歌い方と、盛り上がっている時の魂から歌うようなボーカルがこれ以上ないほどマッチしています。2番のサビからボーカルの上にコーラスが入ってくるのもグッときます。

始まりという名の道 振り向かず前を見つめ

振り返る 優しさに満ちた毎日は
大切なものたちを残してくれた

遠藤さんにとってもRoseliaにとっても、これは新しい始まり。寂しいけれど決して悲しいだけのものじゃない。だから前を見つめてまた一歩、遠藤さんもRoseliaも、そして我々ファン達も進む必要があるのではないでしょうか。そしてたまに振り返れば、そこには彼女が残した「宝物」が間違いなくあるのではないでしょうか。

握る手離れても 終わらない絆がある

一つだって忘れないわ いつまでも熱いままで

遠藤さんが残したモノ、思い出たちは決して失くなりません。Roseliaと彼女の道は別れてしまいますが、育まれた絆は決して切れず、いつまでも暖かな熱を持って彼女たちの中に残り続けるでしょう。それはファンにとっても同じことなのだと思います。例えばCD、例えばグッズ、例えばDVD。引退しても彼女が活動した証は残り続け、ファンが忘れない限りそれは永遠なのではないでしょうか。応援し続けたファンとの絆も、決して終わることはなく続いていくのでしょう。遠藤さんが残した全てが彼女の歩いた「軌跡」となり、これからもRoseliaと共にあります。

まとめ

パワフルかつ疾走感のある『Opera of the wasteland』と切ない感謝のバラード『軌跡』の二本立てのシングルでした。一曲目はRoseliaのパワフルな強さをより尖らせたような曲だったのではないでしょうか。かなりの難曲なのは間違いありませんが、故に相羽さんの上手さがまた光っています。二曲目はバンドリの中でも初めてのストレートなバラードでしたが、素晴らしい歌詞とそれに応える最高のボーカルの手によりとても涙を誘う曲になったと思います。ライブでまず間違いなく僕は泣いてしまうと思います。

終わりに

Opera of the wasteland』には悪いんですが、今回は『軌跡』に持っていかれてしまったなぁと思います。これは流石にずるいです、表題曲でも良かったと思いますよ。というか、アルバムに収録される新曲がこれの方が形的に収まりよかったような気もしますし、オペラももっと目立つようになったように思えます。Roseliaは泣かないからという理由で本番は泣かないように努めると相羽さんが話していましたが、メンバーみんな泣いてもおかしくない位仲が良いですしどうなるのか。それ見たら本当に泣いちゃう、人が泣いてるの見るの弱いんです。
それでは今回はこの辺りで、急いでポピパの方も書きます。

Opera of the wasteland

Opera of the wasteland