多趣味と深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ、映画レビューなどを書いていきます。

【ディスクレビュー】新たな自分へ生まれ変わる旋律の序章 Morfonica 1stシングル『Daylight -デイライト-』

こんにちは、僕です。

今回はバンドリ第4のリアルバンドである、Morfonicaの1stシングル『Daylight -デイライト-』のレビューです。
遂に現れたバイオリン編成のバンドとして、僕もリリースを待ち望んでいました。巷では色々言われていますが、それについては勿論のこと、新たに別の視点からも語っていこうと思います。


Daylight -デイライト-

Daylight -デイライト-

Daylight -デイライト-

  • Morfonica
  • アニメ
  • ¥255

新バンドの一発目の曲なので、この曲の音楽性や世界観がMorfonicaのスタンダードとなります。イントロから激しいバイオリンの旋律が奏でられ、当然ながらバイオリンが一番の特徴であることを伝えてくれます。長尺のイントロですが、タメの効いた非常にカッコいいイントロですし、一聴したときに先を聞いてみたくなるイントロです。

進藤あまねさん演じる倉田ましろのか弱くもあり、そんな自分から変わりたいという決意の鋭さを持った歌声は、サビにおいてメンバーのコーラスを背に一層想いを昂らせていきます。
さて、そんなボーカルについてですが、ファンの間では批判の声も出ているようですね。正直なところ、確かに進藤さんの歌は上手くはありません。しかし、ましろの歌であるとすればこれが正解なのは言うまでもないのです。そもそもこの状態でリリースされているということは、現場の制作陣が録音やTDの際にわざわざこの形に整えているのですから、僕が何か言うまでもなく正解なのです。

とはいえ、僕も初見の時にはあまり良い曲だとは感じませんでした。最初はボーカルがあまり上手くないから、演奏に負けて聴こえるのかなと思っていました。
しかし、よくよく考えてみると真に問題なのは彼女の歌ではなく、サビの展開にあるのではないかと思っています。サビの展開の影響でボーカルが悪目立ちする様に聞こえてしまっているのだと、僕は感じています。
つまり、サビのボーカルパートが間延びして聞こえることが、ボーカルの印象を下げている要因なのではと思い至りました。

この曲のサビでは、他のメンバーによるコーラスやハモリがふんだんに使われています。ここのボーカルから続く後追いコーラスの部分ですが、言葉数もあまり多くなく余白を作っているため、とても間延びして聞こえてしまうのです。普段であればそれほど気にはならないでしょうが、その裏では止めどなくバイオリンをかき鳴らしているので、バイオリンの主張が強すぎてボーカルとのバランスが悪く聞こえてきます。
先程書いた通り、この曲はモニカ最初の曲なのでバイオリンがどんどん前に出てくること自体は正解だと思います。しかし、主張が強いバイオリンと正面から戦おうと思えば、当然その分力強いボーカルが必要です。現状の技術的にも、キャラクター的にも、そんなボーカルはモニカにはありません。そこの部分のバランスが少々悪かった結果、一聴した段階ではボーカルにばかりマイナスな印象が付いてしまったのではないかと考えています。
例えば少しバイオリンの演奏を変えただけでも随分印象は変わりますし、このバイオリンで行くのであれば歌詞の譜割りをもう少し詰めてコーラスをなくしたり、フェイクを入れてみたりすれば、全体的なバランスも整ってきて、今ほど批判的な意見は出てこなかったのではと思います。

長々と書きましたが、正直聞いているうちに慣れてくる程度のことです。「全然ダメ!」とレッテルを張ってしまった人は変わらないかもしれませんが、大半の人は繰り返し聞いているうちに馴染んできて、そう悪くないといった印象に変わるはずです。

金色へのプレリュード

金色へのプレリュード

金色へのプレリュード

  • Morfonica
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デイライトの話が長くなりすぎたので、こちらは簡潔にまとめていきましょう。こちらはデイライトよりバイオリンの優雅さが際立つ曲となっています。こちらの方が進藤さんの歌声ともマッチしていて、曲の雰囲気や美しさも鮮明です。

この曲はとにかくサビが良いです。ボーカルのユニゾンが他バンドより多いのは、自分に自信がないましろのキャラクター性を反映しているのでしょうが、この曲では一人ではなくみんなの力も借りてステージに立つましろの姿がとても生えて見えます。その大きな要因はコーラスとユニゾンの美しさ、そしてボーカルラインに寄り添うようなバイオリンの旋律でしょう。僕が先程デイライトで指摘したバイオリンの主張が強すぎるという印象も、この曲からは感じません。歌メロ自体がとてもよく、ユニゾンと相まって感情を揺さぶられるものがあります。

歌詞はデイライトと共通して変わろうとする姿勢のようなものが描かれています。デイライトは「夜明けが来るのをひたすら待つ」と、変わる機会が訪れるのをただ待つような後ろ向きな印象があったのに対し、この曲では変わるために自ら道を突き進む覚悟を感じさせます。曲名に使われる「金色」も夜明けの先の輝く朝日を連想させます。それを意識した上でサビのユニゾンを聞くと、より一層仲間と共に進むましろの姿が脳裏に浮かび上がってきます。
個人的にはこの曲が表題曲の方が良かったんじゃないかと思ってしまいました。ライブで聴ける機会がとても楽しみです。

終わりに

デイライトにかなり文字数を使ってしまいましたね。僕は音楽的な詳しい知識がある訳じゃないので間違ったことを言っている可能性も大いにあります。しかし、この記事を読んで「何となく下手に聞こえるから同調している人」がもう少し聴き込んでみるキッカケに多少なりともなってくれたら良いなと思っています。
繊細さや幼さを持つ進藤さんの歌声と、バイオリンによる化学反応は必ず素晴らしい音楽になると思います。この先どんな音楽が生まれていくのか、楽しみで仕方ありません。

それでは今回はこの辺りで。
さようなら!


Daylight -デイライト- 【Blu-ray付生産限定盤】

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  • アーティスト:Morfonica
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
Daylight -デイライト- 【通常盤】

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  • アーティスト:Morfonica
  • 発売日: 2020/05/27
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