エンタメ感想製作所

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【ディスクレビュー】Poppin' Party 4thシングル『ときめきエクスペリエンス!』

こんばんは、今回もレビュー記事です。今回取り上げるのは先日発売された、Poppin' Partyの4thシングル『ときめきエクスペリエンス!』です。こちらは現在放送中のテレビアニメ『BanG Dream!』のOP曲である『ときめきエクスペリエンス!』が収録されたシングルです。
待ちに待ったアニメと4thシングル、今回も長々と語っていこうかと思います。


ときめきエクスペリエンス!

ときめきエクスペリエンス!

アニメのOP曲だけあって爽やかで疾走感のある曲。演奏は相変わらずがっしりとしたバンドサウンドですが、コーラスや後追い歌唱、歌詞とBメロの独特のテンポ感といった点にはアニソンのエッセンスを感じ取れます。展開が分かりやすく明確に盛り上がるポイントが作られているところや、一緒に歌える・コールをできる構成になっているところはバッチリアニソンですね。散々言い続けている“バンドサウンド”と“アニメサウンド”の融合は、今回もかっこよく決まっていると思います。

この曲の見どころ(聞きどころ)は何と言ってもサビの疾走感ではないでしょうか。後追いして歌われる歌も、サビの勢いを加速させています。サビのベースラインがかっこよくて、その点も好きです。
個人的にはこのサビのメロディがエモくて、ちょっと泣けるんですよね。恐らくこの疾走感に後追いの歌が加わり、メンバー全員の声が一体となって主旋律が歌われるところに僕の心がグッと来ているのではないかと。
このサビを際立たせるのは、Bメロの力を溜めている感ではないかと思います。ドラムがフロアタムをドンドコ鳴らし、ベースが唸り、ギターが徐々に盛り上げ、最後にキーボードが点火させる。そんな展開がエンジンを徐々にふかし、サビで一気に爆発させているような印象を与えてくれている気がします。僕はBメロのリズム隊の音色が面白くて好きですね。

歌詞の方はアニメのOPらしく、ポピパ5人のこれからのキラキラしたときめく体験を予感するような歌詞になっています。なんせラスサビで『進め! ポピパ!』って歌詞が出てきますからね。歌詞の中に再三出てくる“約束の待つ場所”は、香澄の「私たち絶対ここでライブします!」というお馴染みのセリフに出てくる『ここ』なんでしょうね。“約束の待つ場所”ってフレーズがもう好きですわ。歌として聞くと“弧を描く流星が”というフレーズも好きですね。

1000回潤んだ空

個人的にこれまでのポピパ楽曲の中で一番の衝撃だったかもしれません。遂にこんなタイプの曲が来たか、と。
キーボードのピアノ伴奏から始まる繊細で静かな導入。そこにボーカルとギターが乗り、曲は少しずつ加速していきます。こちらも思わず意識的に耳を傾け、そのサウンドに聴き入ってしまいます。しばらくはキーボードが楽曲を引っ張っていく弾き語りのような展開が続きます。この辺りは美しいピアノ音と、丁寧に歌い上げられる歌詞に惹かれますね。
時間にして1分を超えてきた辺りで初めて、他の楽器も演奏に参加し始めます。ボーカルに寄り添うような演奏に魅了されていると、愛美のボーカルにも熱がこもり、それまで抑えていた感情が爆発したかのように楽器陣の演奏が解き放たれ、バンドサウンドへ変化していきます。ここの盛り上がりはベタと言えばベタな展開ですが、やはり心を揺さぶられますね。思わず手を掲げてしまいます。エモいです。ライブだったら最初はボーカルとキーボードのみがライトで照らされていて、ここに来て鮮やかな照明と共にステージが鮮やかに照らされる。そんな演出が浮かびます。

曲全体としては『supercell』っぽさがあるように思えます。この曲!と明言できるほどsupercellに詳しくはないのですが……。全体の演奏が始まるポイントのリードギターはなんとなく青春パンクを連想させるような、胸に刺さる心地の良い音色で非常に好きです。
演奏のバックで流れ続けるキーボードも透明感のある音をしていて、この曲の土台であると言ってもいいかもしれません。最初以外は曲調としてバラード曲になっているわけではありませんが、切ない旋律を奏でるキーボードが心をくすぐりますね。ガツンと盛り上がる曲ではありませんが、聞けば聞くほど「良いなぁ」と染みる名曲ではないでしょうか。

これはこの曲に限らず、前の『ときめきエクスペリエンス!』にも言えることなのですが、愛美の歌声がこれまでと比べて安定感が増しているように思えます。キャラ声の歌に慣れてきたのか、すごく自然に歌えてるんじゃないでしょうか。これまではちょっと高音が苦しそうに聞こえていたのですが、今回はその様子は感じないどころか余裕すらあるのでは。とても伸び伸びと歌っているように聞こえますし、裏声の部分もすごく綺麗でよく伸びています。中々歌うの難しいと思うのですが、ボーカリスト愛美の実力が伺えます。特にこの曲は『聴かせる曲』なので、ボーカルが良ければその分魅力的に聞こえますよね。歌い方に気持ちが乗っているのは聞けばよく分かりますし、これはライブで聞くとかなり泣けそうな予感がします。
僕が特に好きなのは一番最初に出てくる『でも…それでも昇る』の、『でも』の部分です。ここの噛みしめるような発声がたまらなく良いんですよ……。他のところではもう少し軽く、というか肩の力を抜いて歌っているのですが、ここだけは感情がこもりまくって聞こえて、毎回ぞくりとします。しかもそのまま、曲の方も気持ちが一気に解放されるように盛り上がるので最高です。感じた熱をそのまま持っていける感じ。

“青春”と“夢”を歌った歌詞は愛美のボーカルを通して聞くと、非常に説得力を持って感じられます。一直線に胸に届く、そんな歌声です。別作品ですが、彼女が演じるアイドルマスターミリオンライブのジュリアというキャラクターの持ち曲である、『流星群』や『プラリネ』を聞いた時にも感じた感覚でした。これは彼女が持つ歌声の才能なんでしょうね。
『夢は叶う』『夢を諦めない』といったテーマは音楽においてよく見られる、お馴染みのキーワードです。それ故にありきたりな言葉で歌われてもそれは陳腐で、『夢が叶わない』という“現実”を知る僕達では説得力も感じません。しかし、この曲で歌われる『夢は夢じゃないと歌う旅 青春を全部捧げていい』という歌詞は少し遠回しに、だけど真っ直ぐなメッセージが込められていて、ただ『夢は叶う』だとか言われる何倍も説得力を持って聞くことができると思います。『青春を全部捧げてもいいくらいの価値が夢にはある』『夢は夢じゃないと歌う旅=夢を叶える道程であり、そのために青春を捧げてもいい。青春とはそのためのものなんだ』そんな意味があるのかな、と深読みしてしまいました。歌詞ですから十人十色の解釈があると思いますが、それでも愛美の“歌”というフィルターを通すことで、この歌詞も真っ直ぐ聞く人の心に届くことでしょう。



長々と書きましたが、この辺りで筆を置かせてもらおうかと思います。振り返ってみると『1000回潤んだ空』の文章量やけに多いですね。個人的にこの曲は4thシングルの目玉だと思ってますし、ポピパの楽曲の中でもかなりの名曲であり、メンバーの(特に愛美)の成長も感じられる曲だと思っているので熱が入ってしまったようです。もちろん『ときめきエクスペリエンス!』も良い曲ですからね。カッコいい曲と泣ける曲って感じの4thシングルでした。次の5thシングルのときもまたレビュー書きますので、その時は改めてよろしくお願いします。
とりあえず僕は明後日に控えている3rdライブがクッソ楽しみです。自分は残念ながら現地には行けずライブビューイングでの参加にはなりますが、もしかしたらそれについても記事を書くかもしれません。2月はバンドリ尽くしで忙しい!
それではまた次の記事で!




(ダブりすぎィ!!!!)