多趣味と深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ、映画レビューなどを書いていきます。

【ディスクレビュー】いつか至る頂点への道は、5人で切り開くという決意 Roselia 10thシングル『約束』

こんにちは、僕です。

今回はRoseliaの10thシングル『約束』の感想・ディスクレビューとなります。
いつの間にか10枚もシングルが出ていたことに驚きを隠せない訳ですが、一つの節目と言ってもいい枚数を重ねたのではないかと思います。だからなのかは分かりませんが、今回の収録曲はどちらも『結束』『繋がり』をテーマにしているように感じました。
あんまり前置きでグダグダ書くのもどうかと思いますし、早速書いていきましょうか。

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約束

序盤は比較的ゆったりと曲が進んでいく構成になっていて、それはサビに入っても継続しています。「おっ、聞かせるタイプの曲なのかな」と思いきや、サビ後半でそれまで抑えていたものを開放するように激しい展開に変化するという、二段構成になっています。どこのサビを見ても、曲名にもなっている『約束』という重要なワードが出てくるタイミングで一気に曲が加速するのは、恐らく狙ってのことでしょう。『約束』というワードを印象深くさせ、感情の昂りも表しているように受け取りました。
それまで遅くもなく早くもないテンポ感で曲が進行していたので、それがある種焦らされていたようにも作用しています。サビで盛り上がりを作るのは極めてJ-POP的なマナーですが、それをより尖らせた構成と言えるかもしれません。

今回はリサも一部ボーカルを取る曲ですが、歌うパートが少しであっても、ガルパのイベントにおいてリサが作詞した曲として登場する成り立ちを考えれば、友希那とリサによるツインボーカル楽曲と言った方がいいかもしれません。Cメロにある『約束だよ』という歌詞を二人で歌うところは必聴ポイントです。
詳しくは是非ご自身でプレイしてストーリーを楽しんでいただきたいですが、Roseliaらしい言葉選びをしながらもしっかりリサの色が出ている歌詞になっています。『辛いことが多いかもね』というように、語尾に「ね」を付けるのは友希那の歌詞ではなかったような気がします(あったらすみません)。歌詞のメッセージがリサ目線のものなのは当然ながら、細かい言葉選びからもリサっぽさを感じました。
友希那の隣に立ち続けることを歌う力強い決意の歌はほぼ告白みたいにも映るので、界隈は大変盛り上がっていると思うのですが、僕は『玉座』というワードが出てきて、尚且つそれをリサが歌うところから王に付き従う忠実な騎士のようなイメージも持ちました。直近の近衛騎士みたいなのも、役どころとしてはリサらしいんじゃないかなと思います。大げさなイメージかもしれませんが、それだけの印象を持たせるほどに強い覚悟と決意に満ちた歌詞となっていました。

進む道は幸せよりも 辛いことが多いかもね
それでも(Oh) いいんだよ(Oh)
貴方の隣にいる

中々ここまでは言えないですよね。リサの中で友希那がどれだけ大切な存在なのかがよく分かります。また、それと同時にこの歌詞を受け入れて自ら歌う友希那にとっても、リサの存在が非常に特別なものであるということが伝わってきます。真正面からこんな想いをぶつけられて、それをまた真正面から受け止めた上でその想いを持った本人と共に、まるで叫ぶように『約束だよ』と歌っているのだから、相思相愛と言って差し支えないでしょう。

余談ですが、歌詞中に出てくるシロツメクサ花言葉の一つは『約束』です。これは幼少期にリサが友希那にシロツメクサの王冠を作って渡したエピソードから採用されたワードですね。それが『生まれ変わる』と歌われていることから、シロツメクサは過去の象徴として描かれていると推察できます。シロツメクサ』という過去の『約束』を超えて『約束の景色』=『玉座』に至る。その時まで友希那の支えとなり続けるという『約束』の先の未来に向かっていく歌が、この『約束』という曲なのだと思っています。

“UNIONS” Road

希望に満ち溢れたストリングスサウンドが特徴的な『“UNIONS” Road』は、曲名の通りRoselia5人で頂点への道を切り開いていくことを歌った曲です。楽曲の広がりを演出するストリングスは、まるで大海原へ航海に繰り出すような、まさしく5人の旅路を連想させてくれます。曲からは勿論、歌詞やボーカルからも自信やRoseliaに対する誇りのようなものが感じ取れます。それが一層、この曲の懐の大きさや荘厳さを際立たせています。

1曲目の『約束』と同じく、一人ではない『繋がり』を意識した楽曲になっていますが、少々その捉え方が異なっています。『約束』はリサ視点だったこともあり、友希那とリサという個々の繋がりがフィーチャーされました。ところが『“UNIONS” Road』ではRoseliaという5人の繋がりをフィーチャーしています。10thシングルを通してRoseliaの結束や団結を、これまで以上に強く描いてきました。
実はこの曲の歌詞中にも一度『約束』というワードが使われています。これは偶然だと思いますが、敢えて同じテーマの曲を同じシングルに収録したことは、意図的なものがあるんじゃないかなと感じています。

Roseliaの曲は非常にメロディアスなものが多いのですが、ご多分に漏れず今回も美しいメロディの曲です。やはりRASの誕生がRoseliaの音楽性に与えた影響は大きく、重たさと荘厳さを併せ持った音楽性へと、ここ最近は間違いなく変化しています。最早彼女達の音楽にストリングスやシンセの音色は欠かせないでしょう。

終わりに

Roseliaの新年初リリースでしたが、本文でも書いたように『結束』をテーマにしたような極が並びました。新年初リリースな上に10枚という節目のシングルですから、僕は敢えてこの2曲を選んだんじゃないかなぁと思っています。色々あったRoseliaですから、そういった部分は特に大切にしている筈ですから。奇しくも、絆を育むことの大切さを知ったゲーム中の彼女達とリンクしているんですよね。

それにしてもギリギリレビュー間に合いました、良かった……。明日にはもうRASのフラゲ日ですから間髪入れずに次回も書くことになりますが、気合い入れて頑張ります。ユニゾン斎藤さんの新バンドXIIXの1stアルバムも明日フラゲ日ですし、余裕があればそれも書きたいですね。

それでは今回はこの辺りで。
さようなら!

約束[通常盤]

約束[通常盤]

約束[Blu-ray付生産限定盤]

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