多趣味と深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ、映画レビューなどを書いていきます。

【ディスクレビュー】楽曲の多様性を見せつける貫禄の3曲収録。ポピパの進化は止まらない。 Poppin’ Party7thシングル『Time Lapse』

どうも、僕です。

今回もまただいぶ間が空いてしまいましたが、ディスクレビューです。今回のCDはPoppin’ Partyの7thシングル『Time Lapse』です。とにかく大好きな1枚ですので、今回もたくさん書いていきたいと思います。

 

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Time Lapse

Time Lapse

待望のアッパー系ロックチューン

再三言ってきたことですが、この曲は僕が待ち望んでいた『ティアドロップス』以来のロックチューンです。本当にかっこいいと思います。

まずイントロのアカペラ。ここでグッと楽曲に引き込まれます。ただボーカルがソロで歌っているだけでなく、メンバーによるハモリが重なっているのがより耳を惹きますね。

その後のイントロからAメロにかけて、リードギターのリフが曲を引っ張ります。ここが本当にいい。ドラムの作る重たいリズムにギター一本で乗っかる展開が非常にロック。少々ハードロック然としたここの展開は、声優ユニットの曲では中々聞けないんじゃないでしょうか。自然と身体が動き出してしまいます。要所要所の無音でギターがキメを弾くのがすごく好きです。1番と2番では展開も変わるんですが、ギターも重ためのリフから鳴かすようなリフに代わってこっちも素晴らしい。何よりこれを女子が弾く事実が素敵です。

とにかく全体を通して、ポピパらしいポップさからロックに振っている曲だと思います。キーボードの主張も歴代楽曲の中でも一番控えめなんじゃないでしょうか。ティアドロはアニソンらしさも結構あったんですけど、今回はロックバンドらしさに大きく傾いています。分かりやすくかっこいいですが、今回は特にギターに注目して聞いてほしいですね。

 

恐らく最もライブ映えする曲

ポピパの曲はライブで映える曲が多いのですが、個人的にこの『Time  Lapse』はその中でもトップクラスにライブ映えするんじゃないかと、実際にライブで聞いた経験から思いました。まずこういったストレートにロックでかっこいい曲は、当然ですけどライブに向いてますよね。疾走感もありますし、盛り上がりやすくノリやすいです。武道館当日はもちろん全く初見なこの曲に対して、僕らもすぐ付いていくことができたし、その日の中でもかなりの盛り上がりでしたので間違いないと思いますね。

何よりシンガロングが用意されている点がこれまでの曲とは大きく違う点じゃないかなと。コーラスパートを歌うというのはこれまでもありましたけど、こうしてあからさまに歌えるところがあるのは大きい。ガツンと来るロックチューンでシンガロングもあるとなると、ライブで聞いた時の衝撃というか、テンションの上がり方は段違いです。なので、きっとライブで聞いたことがあるかないかで評価も少し変わるんじゃないでしょうか。音源で聞くだけでは温度差があるかもしれませんね。

 

ボーカルが色っぽいよねってハナシ

余談的ではありますけど、香澄のボーカルがなんか色っぽくない?というお話。他の曲はもっと元気な歌い方な気がするんですけど、この曲は息の抜き方とかがなんだか少し色っぽく聞こえます。曲に合わせたんでしょうか。だからなんだって話なんですけど、なんかいいなって思ったので。

 

八月のif

夏の終わりを感じさせる寂寥感

前回の『夢見るSunflower』は「夏がこれから始まる!」と言った曲でしたが、今回はまさしく夏の終わりの寂しさを感じる曲ですね。ピアノが切ない良い音色をしています。こうした曲では当たり前というかベタなのかもですが、ギターの歪みもエモいですね。それこそOVAのように夕日をバックに身体をゆっくり揺らして聞き入りたいです。テンポもミディアムなテンポのゆったりとした雰囲気で、一層寂寥感が出ている気がします。ライブの中盤から終盤にかけて聞きたい曲です。一曲目の『Time  Lapse』から一転して落ち着きある曲になり、ポピパの幅の広さを感じることができます。

 

ハーモニーが心地いいツインボーカル

ポピパのボーカル二大巨頭こと愛美さんと大橋彩香さんによるツインボーカルは、流石の一言に尽きますね。二人の声の相性もいいのか、非常に美しいハーモニーになっていると思います。サビではコーラスも入るので、より綺麗で心地のいい音になっています。思わずじっくり聞いてしまいますね。こういうしんみりした曲にツインボーカルが乗ると、なんだか一人よりもっと曲に引き込まれる気がします。ハモリの気持ちよさはこうした“聴かせる曲”と相性抜群ですね。

 

少し切なげな歌詞

読んでいると思わず少し物思いにふけってしまいそうな歌詞は、言葉のチョイスが心をくすぐる切ない選び方です。一日一日が過ぎて夏が終わっていく様子が、今年の夏を思い出して切なくなりました。学生として迎える夏はもう来年が最後なんだなとか思ってしまいました。切ない。

どこの歌詞も好きなんですが、特に一番Bメロの掛け合いになっているところの歌詞が僕は好きですね。あと、“今”というワードがサビで出てきますが、それもいいですね。色々な“if”があったのかもしれないけど、この八月=“今”に出会えてよかった。そんなニュアンスな気がしてグッと来ます。高校生の時にこんな夏を過ごしたかったなぁ。

 

夏のドーン!

歌えや騒げお祭りソング

しんみりした空気を貫くようにやってくるのはみんな大好きお祭りソング。夏終わったんじゃなかったのか!というツッコミはなしです。曲順は逆の方がよかったと僕は思うぞ!

 こういう夏祭りソングってやっぱり似てくるというか、夏祭りソングの王様であるWhiteberryの『夏祭り』っぽいですよね。多分夏祭りっぽい雰囲気になるコード進行みたいなのがあるんでしょうね。余談ですけどこっちはカバーで、本当はJITTERIN'JINNが原曲なんですよ。僕も最近まで知らなかったので、Whiteberryが原曲だと思っている人は多いんじゃないでしょうか。あとこれはボカロの曲ですが『六兆年と一夜物語』にも似ているところがあるように思えます。

イントロはピアノから静かに入るのですが、そのあとは実に賑やか。祭りの雑多な空気が感じられるようです。キーボードとギターがユニゾンしているところはラジオボイスみたいな音になっていて面白い。これまたこれまでのポピパ楽曲にはあまりなかった曲ではありますが、このポップさはポピパらしいですね。

サビ終わりに全パートがボーカルラインをなぞってユニゾンするのも面白くていいと思います。『アンバランスなkissをして』のサビ終わりもこういうところがありますが、あれはこの曲よりもっと極端に同じところを弾いているのでちょっとレベルが違うかも。

 

ポピパ楽曲有数のキャッチーさ

単純にポピパの他の楽曲と比較しても指折りにキャッチーな曲だと思います。そもそも夏祭りソングはとてもテンションの高い曲でノリやすいです。サビでは当然のようにドラムが四つ打ちをしているので、とても分かりやすく盛り上がれるでしょう。

また、コーラスパートのHaaah!というところやHi!というところの賑やかさもキャッチーですね。サビ直前の『止まらないよ』の“よ”の部分を弾むようにメンバーが歌っているのも、良いフックになっているのではないでしょうか。

さらに、歌詞もキャッチーさを高める要因の一つだと思います。サビの頭に『ドーンと ドーンと』といった擬音的な表現を続けて使っているので耳を引かれます。『わたがし あんず飴 チョコバナナ』といった夏祭りらしい言葉も、一見変わった歌詞ですが、だからこそ余計に気になりますよね。全体的な歌詞のリズム感も弾むような言葉の選び方と配置をしていて、聞いていて耳触りがいいのも非常にキャッチーではないでしょうか。

加えて香澄の声がとても曲にマッチしています。ハッピーで明るい曲はこころの声がよく合うと思いますが、こういった賑やかで楽しげな曲には香澄の無邪気な声が似合いますね。やはりロック系の曲とでは声を使い分けているのかもしれません。

 

まとめ

『Time Lapse』は歴代楽曲の中でも最も激しいロックチューンです。普段のポピパからは想像つかない曲構成と、ライブで盛り上がること間違いなしなシンガロングがあるキラーチューンです。

『八月のif』は夏の終わりを感じさせるちょっびり切ない名曲。ボーカル二人が奏でるハーモニーはとても美しいです。個人的には歌詞に注目して聞いてみてほしいです。

『夏のドーン!』はとてもハイテンションなお祭りソング。 ポピパらしいポップさの中に抜群のキャッチーさが含まれています。色々なところに遊びがあるような、お祭りらしい雑多さがあります。

こうして三曲を並べて思うことは、バンドリコンテンツ発のバンドの中で、ポピパが最も楽曲の多様性があるということです。基本的に残りのバンド達はそれぞれバンドの色がしっかり決まっていて、変化球はあれどあまり逸脱はせず、その色にに沿った曲を持ち曲にしています。ですがポピパの場合、かっちり決まった型がないため表現できる幅がとても広いのではないでしょうか。根幹にあるバンドとアニソンの融合や、青春感といったテーマは保ち続けたまま、他のバンド以上に艶やかな色を描くことができるのは、彼女たちPoppin’Partyだけの強みだと思います。それは同時に、より多くの人の胸に音楽を響かせることのできる“手札”がある。そうとも言えるでしょう。バンドリコンテンツの代表バンドとして相応しい特徴なのではないでしょうか。

 

おわりに

今回もめちゃくちゃ間が空いてしまいました。忙しかった……といえば忙しかったのですが、単純にモチベーションがあまり上がらない日が続いていたことが原因です。まぁしばらくはディスクレビューを書くこともなさそうなので、英気を養っていきます。まぁこれを書いているのはRoseliaの2ndライブの帰りなので、落ち着いたらそのレポを書くつもりなのですが……。

 

それでは今回は一応この辺りで。おやすみなさい。

 

 

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