声優・バンドの深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ中心に書いていきます。

WBSS決勝『井上尚弥vsノニト・ドネア』を見ない手はない

こんにちは、僕です。

いよいよ本日11月7日(木)にWBSS勝戦が開催されます。日本が世界に誇る『モンスター』であり、日本ボクシング史上最高傑作である井上尚弥と、フィリピンが生んだ5階級制制覇のリビング・レジェンド『フィリピーノ・フラッシュ』ノニト・ドネアの大一番です。

この試合はラグビーW杯と同じくらい騒がれてもいいビッグマッチで、日本スポーツ史にも刻まれるような凄いことが起きる可能性があるのですが……。イマイチ盛り上がりに欠けるというか、認知度が低いです。

僕のTwitterを見ている人はご存知かもしれませんが、僕は10年ほどボクシングをやっていた経験がありまして、今でも見られる世界戦は全てチェックしますし、情報としては世界のボクシング動向や日本国内の動向もそれなりに追っている程度にはファンです。今回の試合がどれだけ凄いことなのかを理解している身としては、今の盛り上がりでは物足りないし、もっと多くの人の目に留まるべき試合だと思っています。
ですので、せめてこのブログを読んでくださる方々にだけでも伝わるようにと、WBSS勝戦について熱く語ろうと思い、今回この記事を書き始めた次第です。

ボクシングそのものやルールについて解説するようなことはしませんが、ボクシングを知らない人にも分かりやすいよう書いていきますので、お時間ある時にでも読んでいただけると幸いです。



そもそもWBSSって何?

きっと多くの人は、そもそも『WBSS』が何のことを言っているのか分からないと思います。ボクシングを見たことがあるという人でも、よく分かっていない人はいるでしょう。

まず、WBSSとは『World Boxing Super Series』の略称です。平たく言えば「誰がこの階級一番強いのか決めようぜトーナメント」です。

このトーナメントを語る上で知っておきたいのは、現在ボクシングの世界王者の価値が下がっているということです。現在、プロボクシングの世界王座を認定している主要団体はWBA』『WBC』『WBO』『IBFの4団体があります。この時点で各階級に世界王者が4人ずつ存在することになります。これだけならまだ話は単純なのですが、実はこれ以外にも4団体の中に世界王者が存在するのです。

正規の王者が何らかの理由で長期間防衛戦を行えない際に、暫定的に王者を認定する『暫定王者』、長期離脱した王者に与えられる『休養王者』、正規王者の格上に位置付けられる『スーパー王者』や『フランチャイズ王者』、『ダイヤモンド王者』などなど……。主なところを挙げましたが、実は僕もよく分からん王座が他にもあったりします。

本来世界王者とはその階級で一番強い選手の称号なのに、最低でも4人は同階級に王者がいて、その中でも格上の王者がいたりする謎の状態が生まれているのが現在のボクシングなのです。チャンスが多いという意味では良いことですが、これでは結局誰が一番強いのか分かりません。

そんな状況なので、現在はどちらの王者が強いのかを決める王座統一戦が盛り上がりを見せます。その流れの中に、今回のWBSSが存在しているのです。各団体の王者達を筆頭に、ひと階級の猛者達が賞金と階級最強の座を賭けて戦うのが、WBSSというシリーズになります。
怪我やプロモートの問題で全王者が出場できなかったりすることもありますが、このシリーズに参戦すれば間違いなく統一戦がどこかで組まれることになるので、ファンとしても夢が詰まったシリーズと言えるのです。(利権の問題などで統一戦は簡単には組まれないものですので)

井上尚弥ってどんな選手?

では、今回決勝で戦う井上尚弥はいったいどんな選手なのか。平たく言えば、日本ボクシング史上最高最強と目される選手です。日本ボクシングを、誰も見たことがない領域に引っ張り続ける若き最強王者と言えます。

ボクシングには『パウンド・フォー・パウンド』という、全階級を通して仮に体重差がなかったら誰が最強なのかというランキングがあります。これは様々な媒体で独自にランク付けしているものですのでランキングには変動がありますが、とあるランキングではなんと2位にランクインしています。

とにかく弱点も隙も見当たらない選手で、パワー・ディフェンス・スピード・テクニック・メンタル・インテリジェンス全てがオールSのような選手なのですが、基本早いラウンドでKO決着になってしまうため、実力の底が未だ見えないという恐ろしい選手なのです。特にバンタム級に転向してから直近の3試合は、現役・元世界王者を相手に戦った時間が10分にも満たない圧勝だったので、もう手に負えません。

ただ懸念点があるとすれば、ほとんどパンチを貰った場面がないので耐久力が不明であるという点ですが、井上選手のフィジカルの強さを考えると多分打たれ強さも持ち合わせていそうですし、そもそもパンチが当たっても上手く威力を殺せてしまいそうですので、そこの一点に賭けるのは愚策でしょう。
後はやはり、本当のトップ選手とはまだ対戦していないので、強さの底が分からないというところでしょうか。ドネアは現在のトップ中のトップではありませんが、キャリアやサイズなどこれまで通りにはいかない相手ですので、何か新しいものが見られたら良いなと思っています。

ドネアってどんな選手?

そんな井上選手と相対するノニト・ドネアはどんな選手なのか。井上選手はバラエティ番組に出たりしていますし、ボクシングに詳しくなくてもどこかで見たことがある人は多いと思いますが、ドネア選手は世間的にはボクシングが好きでないと知る機会はない程度の知名度だと思います。
ですがボクシングファンであれば、彼のことを知らない人間はいないのではないでしょうか。世界5階級制覇を達成したフィリピンが誇る英雄の一人であるドネア選手は、歳を取って商品価値が下がったとはいえビッグネームの実力者。同じくフィリピンのレジェンドのマニー・パッキャオ選手と同じく、軽量級でありながら本場アメリカで成り上がったレジェンドボクサーの一人です。

彼も井上選手と同じく軽量級離れしたパンチ力と一瞬で間合いを詰めるスピードを持っています。特に左フックの威力は凄まじく、食らった相手の頭蓋骨が陥没したり、倒れた相手が痙攣するという衝撃的なシーンもありました。
それだけでなく、豊富なキャリアに裏付けされるテクニックも持ち合わせています。
仮に必殺の左フックをカウンターで貰うことがあれば、どんな選手だって立ってはいられないでしょうし、今回の試合ではドネア選手が圧倒的に不利ですので、価値にこだわったテクニックを見せてくるでしょう。

勝敗予想

ズバリ、井上選手が3R〜7Rの間、中盤に仕留めるKO勝ちになると思います。まず長期戦にはならないだろうと僕は踏んでいます。

理由としては、井上選手のプレッシャーを前に、衰えのあるドネア選手の体力が持たないだろうというところです。恐らくドネア選手はカウンター狙いのボクシングをするはずですので、井上選手が追うような展開になると思います。彼の猛打と追い込みから12R逃げ切れるとは到底思えません。

中盤決着予想の理由は、1〜3R目はお互いにあまりアグレッシブに打ち合うことはしないだろうと読んだためです。特に井上選手は序盤にしっかり相手を観察してパンチを見切るので、相手がドネア選手ということもありいつも以上に慎重な立ち上がりになることも予想されます。早い時は30秒ほどで完全に見切ってしまうこともありますし、隙があれば必ずそこは狙うでしょうからまたしても短期決着も十分あり得ますが、ここは無難に試合が進む想定で予想しました。

それと、個人的な希望として二人の技術戦が見たいなという気持ちもあるので、序盤はじっくりヒリヒリするような展開になったら良いなと思っています。ジャブの差し合いで主導権を握り合うところとかが見たいですね。

ちなみに一番見たいのは、お互いの左フックが同時に出るも、井上選手の一撃がスピード差で先に届きKOするような場面です。今回の一戦は世代交代か、時計の針が戻るのかというテーマもある試合ですので、新時代のスターがレジェンドの得意技をも飲み込み時代を変えるシーンを見てみたいなぁと思ってしまいます。

もちろん何が起こるか分からないのがボクシング。ドネア選手が勝つ可能性もあります。前述の通りキャリアがありますし、身体のサイズも大きいので、そこの差が出てくる可能性はあります。ですが、やはりかなり厳しい戦いになるだろうと現役ボクサーの方や元世界王者の方も予想していますね。大半の人が序盤から中盤にかけてのKO勝ち予想をしている印象です。正直どちらも負けて欲しくないというのが本音で、ぜひ見たかった試合だけど見たくなかったような気もする複雑な気持ちになっています。もしも判定まで行ったら多分僕は泣きます。

おわりに

長々と書いてきましたが、少しでも両選手とWBSSという大会の凄さが伝わったでしょうか。少しでも興味を持っていただけたのなら本望ですし、ぜひテレビ中継で日本ボクシング史に残るこの一戦の目撃者になっていただきたいですね。

ちなみに同日、この試合の前座として井上選手の弟である井上拓真選手もWBCバンタム級のタイトルマッチを行います。拓真選手は現在暫定王者なので、正規王者であるノルディ・ウーバーリ選手と王座統一戦を行うことになります。仮にこの試合に勝利し、尚弥選手も勝利したとすると、バンタム級の主要王座を井上兄弟で制覇する偉業に王手をかけることになります。
残る1本のWBOのベルトはWBSSに参加していたゾラニ・テテという選手が持っているのですが、怪我で離脱してしまったため今回のトーナメントでは手に入れる機会がなくなってしまいました。この試合を無事勝利で飾れた暁には、このベルトを狙ってほしいですね。

僕は今回、会場で生観戦します! 世界線を生で見るのは初めてなので、非常に楽しみです。まさか初めての世界戦観戦デビューを、こんなビッグマッチで飾れるなんて思ってもみませんでした。歴史の証人になってきます!

それでは今回はこの辺りで。
さようなら!