エンタメ感想製作所

音楽や映画、ゲームなどの感想・レビューを素人なりに投稿。専門知識はないけど好きな気持ちは皆平等。

【ネタバレ注意】ド派手で綿密な映像表現が魅せる、壮大なSF世界 BLAME!感想・レビュー

こんにちは、僕です。

先日遂に話題のBLAME!を見てきました。SF作品はあまり見る機会がなかったのでどんなものかと思っていたのですが、サイバーパンクな世界観が恐ろしくもありかっこいいとてもいい映画でしたので、久々に映画のレビューを書こうと思います。一応ポッピンQからこれまでの間にもいくつか映画館に足を運んで映画を見る機会はあったのですが、忙しかったこともあり書く機会を逃してしまったので、今回は書けるうちに早めに書いてしまいましょう。劇場公開は2週間限定だそうですが、もしかしたら延長や再上映といったこともあるかもしれませんし、その時の参考にでもなればと思います。

 

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個人的ポイント

 

必見の映像表現

個人的にSFの要は『世界観』とそれを表現した『映像』(作画等含む)だと思っています。その点について今作は優れていると思います。際限のない増築が進められる都市は圧倒的なスケール感と共に、目的もなく拡張された人間の姿はない鋼鉄の世界の冷たさみたいなものも感じられます。また、3DCGの特徴を生かしたキャラクターたちのスピード感のある動きやアクションもかっこよかったです。特に大量の駆除系セーフガードが迫ってくるシーンは非常に気持ちが悪くて最高だと思います。見た目もさることながら、動きが生理的な気持ち悪さを感じるいいデザインしてると思います。また、霧亥が扱う重力子放射線射出装置の威力を表現する過剰なまでの破壊・爆破演出もよかったです。映画館という抜群の音響施設でこのシーンを見ると凄まじさ割り増しで伝わると思います。僕は例によって立川シネマシティの極爆上映で見たのでそれはもうすごかったです。『画集』とまで評される原作の描き込み再現に、CGという媒体は適任だったのかもしれません。

 

映画用に再構築された物語

 今作は原作として漫画が存在しています。僕は読んだことがないのですが、そのまま映画尺で映像化することは不可能なほどの情報量やスケールの大きさだそうです。SFですしそこは当たり前ですが、今作は特にその傾向が強いようです。また、そもそものストーリー自体も、霧亥がネット端末遺伝子を持つ人間を莫大な時間をかけて探し続ける旅の物語であるため、映画にするには難しいものらしいです。なので今作は原作のエピソードの一つである電基漁師の話をアレンジし、原作に内包される人間ドラマを浮き彫りにし、一つの作品として仕上げたものになっているそうです。

物語のスケールの大きさ自体はそのままに、ストーリーの焦点を絞った結果、見ていて何が何だか分からなくなるというような難解さはなく、原作を知らない僕でもスッキリ見ることができました。逆に、原作を知らないからこそ映画用のアレンジが気にならないため、内容に対する違和感も感じませんでした。劇中では詳しい説明はされないテクニカルタームも出てきますが、それも映画を見ていればなんとなくどんなものかは想像ができるように構成されていました。原作未読者やSFがあまり得意でない層も楽しめるようにこういった再構築を行なったそうですが、実際に完全初見の僕もとても楽しめました。タエに化けたサナカンが正体を明かすシーンからの流れは絶望的で恐ろしかったですし、霧亥が煙の中から飛び出しサナカンを殴りつけるところはすごくかっこよかったです。知ってたらこの興奮は味わえなかったかな。

 

づるが可愛い

重要。ヒロインが可愛いか否かは重要。今作のヒロインのづるは非常に可愛いです。彼女に限った話ではありませんが、登場人物全員がCGアニメーションとは思えないほど表情豊かなのでとてもよかったですね。僕は個人的にそれほどCGアニメが得意ではないのですが全く気になりませんでしたね。こういったサイバーパンク作品とCGの相性もいいんでしょうね。原作では数あるエピソードの一つに過ぎない話ですので、づるは別段ヒロインではないわけですが今作でばっちりヒロイン。霧亥に助けられた後にヘルメットを外した時の表情めっちゃ可愛かった。雨宮天さんのファンの方々、当たり前ですけどづるはとても出番が多いので是非見ましょう。

人間ドラマを浮き彫りにして作ったと言われているだけに、霧亥に惹かれるづると、それに嫉妬を見せる捨造などなど、づる以外のキャラクターもそれぞれ心の揺れ動きがあったりして面白かったです。

 

まとめ

SF好きは見にいって損のない内容ではないでしょうか。原作ファンの方は再構築された物語への違和感等あるかもしれませんが、僕のような未読者の方で気になっている方は是非見に行ってみるといいと思います。非常に壮大な内容ですので明らかに映画の中だけで全て丸く収まる結末はないだろうな、と思っていたのでどうまとめてくるのか気になっていましたが、僕としては上手い落とし所だったんじゃないかなと思います。でも、すっきりとした結末が好きな方は煮え切らないところのある終わり方かもしれませんね。

 

おわりに

さて、そんなわけで書いていきましたBLAME!の感想もここらで筆を置こうと思います。パンフレット欲しかったんですけど金銭面的理由で断念せざるを得なかったのが悔しいです。2週間限定公開というのももったいないので、延長なりしてくれないかなーと思うところです。あまり詳しいジャンルではなかった上、原作未読だったためあまり上手く感想を書かなかったと思いますが、とにかく良かったということが伝わってさえくれれば満足です。残り僅かな上映期間ですので、迷っている人はすぐに見に行ってみてください。それではまた次の記事で。