多趣味と深読み解剖研究室

知識のない音楽オタクが声優アーティストやバンドを深読みする。バンドリを始めに声優アーティストやバンドのディスクレビュー、ライブレポ、映画レビューなどを書いていきます。

【ディスクレビュー】ヘビーかつエモーショナル。Roselia名刺代わりの一枚 Roselia 1stシングル『BLACK SHOUT』

こんばんは、僕です。今回はバンドリ ガールズバンドパーティーに出てくるバンド、Roseliaの1stシングルである『BLACK SHOUT』のディスクレビューです。僕としても非常に楽しみにしていた1枚でした。早速書いていきましょう。

 

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BLACK SHOUT

BLACK SHOUT

〝これぞRoselia〟と言える、Roseliaの名刺代わりのような曲。それがこの『BLACK SHOUT』です。この曲を聞けば、Roseliaの音楽性や何をテーマとしているのかは全てわかると思います。渾身の一曲です。

 

聞けば分かる“世界観”

彼女たちの衣装や荘厳な雰囲気のイントロは紛れもなく“ゴシック”をイメージしたもの。その後奏でられる重厚で重たいサウンドは、Poppin' Party のそれとは大きく異なったロックサウンドです。がっつりそうなわけではありませんが、これは“メタル”ですよね。メタル特有のクサさがしませんか。ジャンル的にはゴシックメタルに近いんでしょうか? その辺りはあまり詳しくないので分かりませんが、個人的にはジャパメタクサさを感じました。どうにせよ、完全にPoppin' Party とは異なる独自性があります。『ガルパ』には他にも強い個性を持ったバンドが出てきますが、Roseliaの高貴さ・荘厳さや、秘めている激情なんてものがこの曲を聞けば伝わってきます。

 

 声優ソングらしからぬヘビーな音

当たり前ですがメタル系の曲ということで、何と言っても演奏が激しい! Aメロのリフなんかツーステ踏めますよ。後でライブについては書きますが、声優のライブでツーステ踏めそうだと思うことがあるなんて思いもしませんでした。ベースの低音もゴリゴリで、ドラムのプレイングもメチャクチャ激しい。こんな曲を声優が歌って演奏するなんてとんでもないことです。上松さんの手札の多彩さは半端じゃないですね。本当に同じ人間が作ってるのかと疑いたくもなりますが、サビで鳴っているシンセの音などからは上松節を感じます。天才だ。

 

 重たいのにキャッチー

Roseliaはボーカルがソロで存在しているので、もっとボーカルを全面に押し出す展開にしそうなものですが、この曲では他のメンバーもがっつり歌っています。コーラスパートがとても多くてキャッチーですし、ユニゾンで歌い上げられるサビは音の厚みと勢いがとてもあってかっこいいです。特にコーラス部分は使われている言葉の影響もあり、激しく攻撃的な曲の中にとっつきやすさを生み出しているように思えます。これがあるとないとではだいぶキャッチーかどうかが変わるじゃないでしょうか。勢いという点では、ストリングスが入っているイントロや2番のAメロとその他の部分で緩急が作られているところも作用していると思います。

 

 Roseliaを物語る歌詞

歌詞はRoseliaのスタンスが如実に現れてるなぁという印象。彼女たちの音楽に対する姿勢が、ゴシック的な所謂厨二的ワードを盛り込みながら描かれている歌詞だと思います。メンバーのソロパートなんかは歌っているキャラクターの心情なんかが書かれていますね。この辺は“アニソン”らしいです。曲・歌詞共にRoseliaとは何たるかを表現しているものだと思います。サビの歌詞なんてまさしく“Roselia”というバンドの生き方そのものですよね。

 

LOUDER

この『LOUDER』は、ガルパ内ではボーカル湊友希那の父親がかつてバンドで演奏していた曲として登場します。そういう経緯があるからか、前述の『BLACK SHOUT』とは少し違ったテイストの曲になっています。ストリングスの音はなくなり、ゴシック感はほとんどないのではないでしょうか。シンセの音がかなり目立っていて、メタルっぽさもあまりないように思えます。『BLACK SHOUT』と比べて『LOUDER』はメロディアスな曲調で、邦楽で言うと個人的にはMY FIRST STORYっぽい感じがしました。ジャンル的にはエモとかに分類されるんでしょうか?

 

 友希那とリンクする泣ける歌詞

Roselia結成以前から存在していた曲という設定ですが、歌詞的には完全にこの曲を歌う友希那の心情が描かれたものです。ガルパで行われたRoseliaイベントのストーリーや、友希那がバンドを組んだ理由とリンクした歌詞です。この辺りを知っていると歌詞の持つ意味が深みを増します。この曲を歌うことに対する苦悩や歌う決意、友希那の音楽の原点、父への想いなど友希那のパーソナルな部分に踏み込んだ歌詞です。歌詞のバックボーンを理解していると非常に胸を打たれるというか、泣けるんですよね。いくつか抜粋しますと

『輝き溢れゆく あなたの音は私の声でtry to… 伝えたいの』

『あなたがいたから私がいたんだよ』

『あの頃の私がいて あの頃のあなたが笑うよ』

この辺りがすごく泣ける。どれだけ友希那がお父さんのことを想っているのか。どれだけお父さんの音楽が好きだったのかが分かります。『You're my everything』=『あなたは私の全て』ですよ。メロディアスな曲調と合わさってすごく泣けます。あと、他の英語の部分もいいんですよね。彼女の決意がよく伝わってきます。

 

 “無音”を作るという勇気

個人的にはこの曲はボーカルもすごくいいと思っていて。歌うの難しいと思うんですが、突き抜けるようにまっすぐな歌声で心を掴まれました。『BLACK SHOUT』と違ってユニゾンがほとんどないのも、ボーカルの魅力をより直接的に伝えてくれ、友希那の言葉をまっすぐリスナーに届けてます。ラスサビ前のアカペラパートもすごいですよね。そもそもアカペラパートを作ること自体冒険というか、勇気がいることだと思いますし、当然歌う側もプレッシャーになるところ。作曲者が友希那を、相羽あいなさんを信じてそれに応えた部分といってもいいでしょう。ライブで聞けたら震え上がりそうです。僕としては『輝き溢れゆく』まで無音にしてもいいと思いましたが、ボーカルが入るまでのタメを入れて5秒も無音を作ったのは「よく耐えたな」と言わざるを得ません。偉そうな言い方ですが普通は曲の中に無音を5秒も入れないと思いますし、素直によく思い立ったなと。ボーカルが乗るからこそ耐えられた5秒なんだとは思いますが、それでも勇気ある構成だと思います。

 

おまけ

3rdライブ映像Roseliaパート

 今回のシングルには生産限定盤として3rdライブでのRoseliaパートのみを映像化したものが付いてきました。僕はライブビューイングではありましたがリアルタイムでこのライブを見ていました。しかし記憶というものは薄れていくもので……。何度でも繰り返してみたいライブですし、記憶を取り戻すためにも改めて見ました。やっぱこれ楽器始めて半年のバンドがするパフォーマンスじゃねぇ!

 

前にライブのレポでも書きましたが、前半2曲は『魂のルフラン』と『Hacking to the Gate』のカバー2曲。ラストにオリジナル曲の「BLACK SHOUT』という構成。改めて見ると緊張のせいか相羽さんのボーカルが不安定ではありましたが、やはり上手い。今後慣れてくればかなりの技量を見せてくれるのではないかと今から楽しみです。これは楽器陣にも言えることで、次に彼女たちのライブを見るときにどれだけ上手くなっているのか。非常に楽しみなってポイントの一つですね。ステージング・パフォーマンスという点はこの段階で本当にレベルが高くてかっこいいので、そこにスキルまで備わってくると圧巻なんじゃないかと。

今回のライブ映像で僕が注目したのは、『BLACK SHOUT』のギターソロ。工藤晴香さんのギターパフォーマンスです。直前の遠藤ゆりかさんのスラップもかっこよくて素晴らしいんですが、その後に続く工藤さんのギタープレイが本当にかっこいい。恐らくワーミーを使った音なんだと思いますが、アーミングプレイのようなつんざく音がたまらない。CD音源の数倍かっこいいです。引きで取られた映像で映される工藤さんの動きもかっこいい。文句なしの100点です。この部分だけでも聞く価値があります。やっぱりこの手の音楽はライブで聞いてなんぼですよ本当に。ライブ音源だとベースの低音もゴリッゴリでヤバイですしね。もう少し抑えてもいいんじゃね?ってくらいガツンと低音効いてます。

このライブ映像、マジでオススメなんでぜひ見て欲しい。リアルタイムでこれを聞いた僕たちがどれだけ衝撃を受けたのか少しは分かると思います。

あ、そういえば『Hacking to the Gate』のリズムキープミスってガタついたところは修正されてましたね。その部分カットされてました。これはポピパの『1000回潤んだ空』のミスも修正されますねきっと。

 

 

 おわりに

そんな訳で書いてきました『BLACK SHOUT』のレビューでしたが、いかがでしょうか。なにやら売り切れ続出で買えていない人もいるようで、Roseliaの勢いにびっくりしています。僕は予約していたので悠々とフラゲ日に購入していたので、まさかこんなことになるとは思いもしませんでした。ポピパもこれくらいの勢いを持てるといいですね。6月に控えている6thシングルも楽しみです。気が早いですがRoseliaの2ndも早く欲しいですし、ガルパの他のバンドのシングルも今後出るのが楽しみです。

 

それではまたそのうち。お疲れさまでした。

 

 

BLACK SHOUT(生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

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BLACK SHOUT(通常盤)

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