エンタメ感想製作所

音楽や映画、ゲームなどの感想・レビューを素人なりに投稿。専門知識はないけど好きな気持ちは皆平等。

ガルパーティ&ガルパライブin東京一日目レポ

こんばんは、僕です。明けましておめでとうございます。2018年最初のブログはガルパーティ&ガルパライブ初日のレポート記事になります。僕は2日目にも参加するので、一緒に行く友人と共にネットカフェに泊まってこれを書いています。本当なら帰ったほうが安くは済むんですが、結構早起きしなければいけない上移動時間がなかなか長いので、このほうが疲れずにすむという判断です。まぁそんなことはどうだっていいので早速書いていきましょう。

 

ガルパーティ初日

優先入場券を持っていた僕は一般入場より早く中に入れたので、まずはクラフトエッグのブースでもっとガルパライフを購入。後で見たら売り切れていたので早めに買っておいてよかったですね。基本的に優先入場すると物販も先行して購入できるので、僕は買いたかったものすべて今日だけで買い揃えることができました。ちなみに買ったのは星の鼓動の漫画と買ってなかった漫画版バンドリ、ブレードとアクリルジオラマにミッシェルぬいぐるみです。僕って動物園とか行ってもついぬいぐるみ買っちゃうんですよね。ブース内には40個以上のAR会話が設置されていて、パネルのもとでガルパARを起動して読み込むとオリジナル会話が聞けました。想像以上に数があって地味に回収するのが大変でしたが、なんとかすべて回収し終わりましたよ。新キービジュアルや新衣装のパネルもあったのでまじまじと見てやりました。個人的に一番うれしかったのは、無事ミッシェルの写真を撮ることができたことですね。人だかりができていたのでもしやと思い行ってみると、そこにはミッシェルが。

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可愛過ぎる。実物は想像以上に可愛かったです。思っていたより小柄だなと思いましたが、美咲が入っていると思うとこれが妥当な大きさですね。作中だと明らかにもっと大きいですが。いや本当に可愛かったのでもしまた機会があれば皆さんも見に行ってみてください。ぬいぐるみ買ったの正解かも。

さて、実際の時系列で行くとガルパライフを買った後は開会式を見るためにメインステージに行きました。僕は両日指定席を獲得したので少し前のほうで見ていましたよ。まぁ特に言うことはない内容でしたかね、ポピパの面々が楽しそうにしてて面白かったです。その後は物販を買って、ぼちぼちお昼だったのでRoseliaのラジオは再入場にも時間がかかりそうだったので断念。お昼を食べに行きました。(配信で軽くラジオは見てました)

次はサークル情報局を見ていました。カバー楽曲の情報なんかもありましたが、それは各自確認を。たくさん声優さんが見られて大満足です。田所さんと中谷さんの声優力の高さにただただ感服すると同時に、キャストシャッフルで前島さんが演じた薫に笑わされました。楽しかったです。

 

ガルパライブ初日

 お待ちかねのライブでは、オープニングアクトとして大会を勝ち抜いた(確か)magnetというバンドがティアドロップスを披露。緊張している様子がよくわかって微笑ましかったです。なんだかわが子を見守るような感覚でした。明日も出るのだと思いますが応援しています。

グリグリは一曲を一番だけ披露とあっさりでしたが、流石のパフォーマンス。それは続く伊藤さん前島さんも同様です。流石数々のステージをこなしているだけあって、非常にステージ慣れしていて盛り上げてくれました。可愛かった~。特に伊藤さんは初めてこころとして立つステージということで、こころの衣装も着てくれました。これがえらい可愛い。元々伊藤さんは好きでしたがもっと好きになってしまった。買う買う言い続けてたアルバム、今月買わせていただきます……射抜かれた……。あ、そういえばここまで大塚さんがバックバンドの一人として演奏していました。最初気付かなかったです。どんどん経験つけて上手くなっていったらうれしいですね。

続くポピパとRoseliaも流石のステージで大盛り上がり。今回のライブはポピパの安定感が光るライブでしたね。Roseliaの演奏が少々ぐしゃっとなったところがあったのに対し、ポピパは貫禄すら感じる安定感でした。やっぱ一番好きなのはポピパです。両者とも、初披露のB.O.FとONENESSがめちゃくちゃかっこよかったです。思った通りライブ映えしますねー。ライブ中にはRoseliaの5thシングルと、なんと1stアルバムの発売が発表。驚きましたね……。まさかポピパより先にアルバムを出すとは……。ただ、アルバムの発売が5月で、リサ役の遠藤さんが引退なされるのも5月。Roseliaという物語にひとつ終止符を打つ集大成のアルバムなのかと思うと納得です。ただ、おそらく明日のトリはポピパなので、そこでポピパの告知もあるんじゃないかと思っていたり。

さて、そんな楽しいライブでしたが一応不満点も。ちょっとボリュームが少ないんじゃないかというのが率直な感想でした。やはり最低2曲はどのバンドにもやって欲しかったですね。まぁ曲数だけ見るとそれなりではあるんですが、やはり少ない。なのに転換で過去ライブ映像をたっぷり6曲流す。それならもっと曲数増やしてくれよと思ってしまいました。せっかくガルパのバンドが一堂に会すんですからね。まぁ次からに期待ということにしましょう。音響に関してもかなり悪かったです。ただこれに関しては会場が会場なので仕方ない。今回はあんまり気にしていません。でもバンドリの音響は基本どこでも酷いので、油断してはいけない……。

 

 

さてさて、そんな感じでざっくりとですが初日のレポを書きました。明日も書くつもりです。まぁライブ以外書くことほとんどないようなもんですがね。明日もすごく楽しみですねー。個人的に明日は5バンド揃うので、配信されたばかりの全体曲やってくれることを期待しています。あと、セトリ少し変わってポピパがHappy Happy Partyやってくれないかなーなんて……。絶対今日やると思ってたのに……。

それでは今回はこのあたりで、また明日!

【ディスクレビュー】2017年を締めくくる一枚。3曲全てが新しいポピパを演出する Poppin’ Party 8thシングル『クリスマスのうた』

こんばんは、僕です。忘れる前にとゴジラの感想記事を先に書いてしまいましたが、もちろんポピパのレビューもします。今年最後のポピパのリリースなのはもちろん、バンドリそのものの一年を締めくくる一枚となります。これまた全曲色の違う曲で面白いので、早速書いていきましょう。




どうでもいいけどジャケットの沙綾のポーズはどういう心境から来てるんだ

クリスマスのうた

クリスマスのうた

歴代楽曲の中でも最もハッピーの詰まった曲

サマーソングの多かったポピパ初のウィンターソングかつクリスマスソングということで、非常にハッピーが詰まったとにかく明るく楽しい曲です。使われている音がとにかく賑やかで楽しげな雰囲気を出していて、聞いているだけで楽しい「愛と平和の歌」ですね。クリスマスに何も予定のない諸兄はこの曲を聴きましょう。
曲のイントロでは、知らない人はいないであろうクリスマスソングの一つ『ジングルベル』のフレーズが使われたり、「We Wish You a Merry Christmas」と歌われたりなど『クリスマスのうた』というタイトル通り、まさしくクリスマスの歌と言える曲です。

ボーカルに見どころ聴きどころが満載

この曲ではたくさんのコールパートやコーラスパートのほか、メンバーそれぞれのボーカルパートも用意されています。特に有咲は2番のサビを丸ごと任されているなどパーティーソングらしさも強いです。コールやコーラスパートはとても可愛らしく、かつライブで一緒に歌えば楽しそうなものになっていますね。そこが特にパーティーらしくていいなと感じます。「シャンシャンシャン」のところとか絶対楽しいけど、ライブにやってきた無数のオタク達がこれ言ってるの想像すると中々にアレですね。
また、香澄のボーカルもこれまでの曲とは違いちょっと上ずった弾むようなボーカルになっています。愛美さんは曲によって歌の表現を変えていて、それは今回のシングル収録曲でも比較してもらえればすぐに理解できると思います。残りの2曲の歌い方についてはその都度書いていきますが、この『クリスマスのうた』ではとにかく楽しさとハッピーが前面に押し出され、勢いあまって少し落ち着かないような歌い方をしているという感じです。
あと有咲が歌う2番のサビですが、歌詞のデレ方が凄まじくてニヤリとしてしまいます。ガルパのイベントストーリーでもそうでしたが、本当にクリスマスパーティー楽しみだったんでしょうね。「もっと愛を もっと」ってお前……。

B.O.F

初のエレガ以外によって作られた楽曲

こちらの曲はDAIGOさんが作ったということで初のElements Garden以外が製作した曲の上、バンドリコンテンツ外であるバディファイトのED曲にタイアップされた曲です。故にこれまでのポピパ楽曲の中でも異質と言いますか、新しい曲になっています。元々曲の幅は非常に広いポピパでしたが、シンセがここまで派手に鳴っているという方向性は実は今回が初めてです。
ちょっと分解して見てみると、やはりすごくアニメのED的な作り方になっているんですよね。Aメロの背景にキャラクターが次々と流れていく中、主人公が歩いている感がすごくないですか。分かりませんかみなさん。Roseliaの時もそうでしたけど、カードゲームアニメの主題歌マナーみたいなモノにとても忠実に作られているように捉えられます。
この曲2番サビの後のCメロ部分がめちゃくちゃキー高くてヤバイんですけど、高すぎて何度聞いても愛美さんじゃなくてベースの西本さんが歌っているようにしか聞こえないんですよね。特に最初の「Dreamers!」のところがマジで西本さんにしか聞こえないです。そもそも曲の展開的にAメロからサビにかけて高低差がある曲なんですが、この部分が拍車をかけて高いです。ただでさえ香澄のキャラ声は愛美さんの本域より高いのに、よくここまで高音出せるなと思わず感心してしまいました。
※追記:Cメロで歌っているのが西本さんに聞こえると書きましたが、ガルパライブのライブ映像を見た結果実際に西本さんが歌っていました。それどころか大橋さんと伊藤さんも歌っていました。

ツインボーカルの“バディ”感

香澄とおたえによる初のツインボーカル曲なこの「B.O.F」ですが、バディファイトにちなんだ互いに高め合う“バディ”感がボーカルはもちろん曲の展開からも出ています。
まずボーカルから見ますと、二人のボーカルが互いに支え合うように喧嘩しない歌い方なんですよね。元々の声の相性がいいのかもしれません。この辺りの話は超アニメディアのインタビューに載っているのでそちらも確認してみてください
【インタビュー】Poppin’Party、ポピパの新しい可能性を感じさせる8thシングルリリース! | 超!アニメディア
サビ終わりのギターがハモりながら上っていくところも、支え合っているような印象を受けます。歌唱担当とギター組二人がぶつかり合っているような印象はここのギターからは少なくとも感じられません。また、ラストの大サビで転調しているのも互いを高めあった結果のような印象です。あと単純に僕は転調が好きです。

キミにもらったもの

三拍子が心地いいメッセージソング

三拍子が特徴的なゆったりとしたナンバーの「キミにもらったもの」ですが、ここまで落ち着いたバラード曲も初登場でした。テンション高めな曲が多いポピパなので、ライブでこの曲を挟めば緩急がついて良いなと感じますね。
当たり前といえば当たり前ですが、どの楽器の音も非常に柔らかくて優しいのでじんわりと聞き入ってしまいます。最初から最後までキーボードが支える曲で美しい音色を響かせていますが、2番Bメロの優しいタッチのドラムであったり、リードギターアルペジオであったりと他の楽器もいい仕事をしてますよ。ベースもとても気持ちいいフレーズを弾いていて、ついついそちらに耳がいってしまったり。あと、2番のサビ直前で入ってくるギターが熱情的な展開を演出して、その後のサビが一層感情的なものに聞こえてきます。

大切な想いを届ける歌詞と歌

これまた香澄のボーカルの雰囲気がガラリと変わります。とても優しく穏やかな声色でこのメッセージソングを歌い上げてくれています。この曲はもう結構前のガルパのイベントで使われた曲で、りみから姉のゆりへの想いが綴られた曲なのです。いつも勇気をくれ、バンドを始めることの背中を押してくれた姉への真っ直ぐな想いが胸に刺さります。そしてりみには姉として背中を押し、香澄たちには先輩として引っ張っていったゆりに対して、りみだけでなくポピパの全員が彼女への感謝を抱いているのだというのが『キミにもらったものが、今 わたしたちを走らせてる』という歌詞に見えてきます。

おまけ:武道館のライブBlu-ray

僕がこの武道館ライブに参加していたことはご存知の方もいるでしょうが、やはり時間が空くと忘れてしまっていることも多く、見ていると思い出すことも多かったです。特に「光るなら」で演奏がなかったと前の記事には書いていたのですが、見たら普通に弾いてましたね。しれっと修正しましたが、直後に書いたはずのブログだったのに何故……? あと改めてこのときのガルパ衣装めちゃくちゃ可愛いなと思いました。この衣装スタンダートにしてほしい。
MCがカットされているのは非常に残念ですが、やっぱりとても良いライブだったなぁと改めて感じました。ポピパのライブがまた見たくなるライブ映像でしたね。来年のガルパライブが楽しみです。
【ライブレポート】『声優ユニット』ではなく『バンド』として聖地武道館に立つ。新たなステージへと走り始めたばかりのポピパ Poppin’Party4thライブ『Miracle PARTY 2017! at 日本武道館』 - はてな日記大作戦

まとめ

2017年を締めくくる1枚は、今までの中でも最もバラエティー豊かなシングルとなりました。ハッピー溢れるパーティーソングな「クリスマスのうた」にツインボーカルの疾走感が冴える「B.O.F」、三拍子のメッセージソング「キミにもらったもの」と、これまでにないタイプの曲が収録されました。また新しいポピパを見ることができたと思います。2018年のポピパの活躍が一層楽しみになるシングルでした。


2017年ももうすぐ終わり。特別なことがなければこれが今年最後の更新になるんじゃないかと思います。年末ということで僕も何かと忙しいです。そんな中Roseliaのリサ役遠藤ゆりかさんの引退が発表されたりと色々ありました。少しでも後悔を残さないよう体には気をつけて5月まで頑張ってほしいですし、暖かく送り出してあげたいですね。
それでは今回はこの辺りで、お疲れさまでした。

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【ネタバレ注意】全く新しいゴジラ作品と、最強最大ゴジラ爆誕 『GODZILLA 怪獣惑星』感想

どうも、僕です。
遅ればせながら見てきました、怪獣惑星。個人的には面白く新しいゴジラ作品だと思ったので、せっかくなので久しぶりに感想記事を書こうかと思います。パンフレットも読んで書くので、なんか分かった風なことを言っているところはパンフに書いてあったことや表現を使ってると思ってください。
当然ながらネタバレ注意ですのでご注意を。


あらゆる面で今までになかった新たなゴジラ

今回の怪獣惑星はどの角度から切り取っても、今までになかった全く新しいゴジラでした。
リアリティを追求し、特撮ゴジラリバイバルさせたシン・ゴジラとは対極。アニメーションだからこそフィクション性を追求した作品です。アニメでやるとなった以上、この方向性は満点の解答なんじゃないでしょうか。アニメという今までになかった表現をするのなら、いつもと同じことをやっても意味がないんですよね。それこそリアルさというものは実写だから如実に表現されるものですし、特撮をアニメでやっても実写に勝てるわけがないのです。なので、アニメで存分にフィクション性を表現できる『SF作品』としてゴジラを描くことにしたのは、非常に良かったのではと思います。
元来のゴジラにも宇宙人が出てきたりとSF要素はありましたが、怪獣惑星ではがっつりとしたSF作品へと変貌を遂げています。アニメになったこと、ゴジラを題材にしたSF作品になったことで、ゴジラを知らない人にも見てもらえるような間口の広さを獲得しているのではないでしょうか。

また、今作に登場するゴジラの設定も今までに例のない非常に新しいものです。なんと今作のゴジラ植物が超進化した生命体なのです。これには面食らいましたし、「生命進化の頂点」というゴジラのイメージを「樹木」と捉えて表現したのは本当に面白いなぁと感心しました。
また、これまでゴジラにあった恐ろしさよりも神のような神聖さをイメージしているようで、容赦ない暴れっぷりとは裏腹にその瞳はすべてを見透かしているかのような綺麗な瞳をしています。2014年ハリウッド版のようなムキムキな身体は金剛力士像をモチーフにしたものらしく、生物らしい肉体ではない神格性を感じました。身体に苔が生しているのも、御神木のような印象を受けます。樹木故に2万年の歳月を生き続け、成長し続けたという本物のゴジラは冗談ではなく史上最大最強のゴジラです。全長300メートルってダントツですよ……。

また、金属元素を多量に含んだ非常に頑強な身体を持ち、自身で電気を起こしてそれを攻撃やバリアーに転じるという設定もまるで新しいものです。放射能を撒き散らすのは同じですが、動力源は電気なのはとても驚きました。
他にも次世代のゴジラであったとはいえ、あのゴジラを人間が案外あっさりと殺してしまうところも、これまででは考えられなかったことだったのでちょっと驚きました。まぁあっさりしすぎていて絶対にまた出てくるんだろうなと思っていたのですが。

地球を追われた人類達の想い

これまでのゴジラシリーズにおいて、人類はゴジラに対して憎しみを覚えるというよりは自然災害に対する畏怖の念といった側面が強く出ていたように思えます。ですが今作におけるゴジラは人類から地球を奪った明確な“敵”であり、恐怖や憎しみの対象として描かれています。きっとこれは、これまでのゴジラ映画においては描かれるべき主役はゴジラであったため、人間側のドラマは余分なものとしてあまり描かれてこなかったことが関係しているのではないかと考えています。それがアニメーションとなり、SF作品となったことで人間側にスポットが当たるようになったのかなと思います。

特に主人公のハルオは幼いころに目の前で両親がゴジラに殺されているため、ゴジラに明確な憎悪を向けています。それだけでなく、かつてゴジラと戦うことを諦め逃亡した人類への怒りも彼の中には同時に燃え滾っています。
ハルオのゴジラへの憎悪が過剰で共感できないという意見も見られますが、彼の怒りの中にはすごすごとゴジラに地球を明け渡し、今となっては抵抗することも諦めたかつての大人世代への怒りも含まれていると思うと、多少は分かりやすくなるかもしれません。きっと描かれなかっただけで、これまでのゴジラにもハルオのような人もいたのだと思います。今までの作品の中でここまで人間側に焦点が当てられたことは少ないでしょうし、分かりやすく主人公が設置されたこともあまりなかったのではないかと思います。

そうしたドラマがあるので、地球に降下したハルオが目にした2万年前の建物に生えたコケが化石化して、かつての姿を保ち続けていることに対しての「この星は人類のことを覚えていてくれた」というセリフ。そして、ゴジラに向けて帰還のための揚陸艇を発進させたときの「俺たちはもう帰ってきた。もう帰る場所はない」というセリフが生まれてくるのだと思います。個人的にこのセリフは非常に印象に残っています。ハルオを筆頭とした地球に住んでいた世代の信念や復讐心がよく伝わってきました。

保守的なファンには合わない作品

ただ、正直人を選ぶ作品なのではないかなというのが本音です。どういう人は受け入れがたいと思うのかというと、従来のゴジラ映画原理主義的な人達ですね。
今作はこれまでのお約束やルールに即さない全く新しいゴジラだったので、これではゴジラじゃないと思う人も少なからずいるでしょう。僕から言わせてもらえば表現方法が違うのだからこれまで通りのことをやっても意味がないし、今までの法則に則って作られていないことは一目瞭然ですので、それを受け入れられないのは頭が固いと思ってしまいます。
ですがそういった考えの方の言い分も十分理解できます。僕もゴジラ大好きなので、予想はしていたといえこの型破りっぷりには驚きましたから。なので、「ゴジラ映画はこうでなければいけない」という想いが強い人にはあまりオススメできないのかなと思います。そもそもそういう人に向けては作っていない作品なのかもしれませんが。

何を目当てにするかで評価は変わる

これも上述したことに繋がる話なのですが、この映画の何を見に来ているのかで全体の評価も変わってくるのではないでしょうか。
今作はハードなSF作品ですので、前半から中盤までは人間ドラマが中心でゴジラがほとんど出てきません。SFらしくテクニカルタームも多く出てきます。そこを退屈だと感じる人も多くいたのではないでしょう。そういった人はきっと、SF作品がそもそもあまり得意でない人か『ゴジラの活躍』を見に来た人なのではないでしょうか。

従来作品ならば始まって間もなくゴジラが現れて大暴れするので、それを期待した人にとっては後半部分までは面白くなかったと感じても仕方がありません。ただ僕のように、最初からこれまでのゴジラとは違うものだと思って見に来ていた人やSF好きな人、人間ドラマが好きな人だったりそもそものストーリーが気になってきた人なんかは前半から中盤も退屈せず見ることができたんじゃないかと思います。
後半のゴジラパートは大抵の人が文句なしだと思うので、見た人の立ち位置で全体の評価は変わってしまうのかなと。

まとめ

個人的には良い作品だったと思います。新たなゴジラの可能性を切り開いた、本当に新しいゴジラ作品だったと思います。SFらしい設定達も非常に面白いです。
ただ、あまりに今までと違いすぎて受け入れられないゴジラファンも多いと思います。なのでシン・ゴジラのようにゴジラファンにも広く高評価を得られる作品ではないかもしれません。代わりに、これまでゴジラを見てこなかった人は先入観もないので見やすいと思いますし、ここから他のゴジラに入っていける間口の広さを生み出した作品だとも思います。

シン・ゴジラとは対極に位置する立ち位置と書きましたが、ゴジラから派生した動植物が地球を支配していたり単一で子孫を作っていたりと、シン・ゴジラゴジラが行ったかもしれない可能性の一つが描かれているという対極にして繋がっているという、変わった形の作品でもあると思います。
今作は次回作がある作品なので、勝利の余韻に浸ることもつかの間、ラストは2万年を生きるオリジナルゴジラの笑えるほどの強さの前に蹂躙されます。そうした次作へ繋がる終わり方をするので、綺麗にまとまって終わるわけでもありません。まぁこれは仕方がないですね。

個人的には次回作がとても楽しみな作品でした。この先メカゴジラが出てくるようですし、人間ドラマも大きく展開されていくのでしょうし楽しみです。今までのゴジラが「反核」といったテーマがあったように、今作のゴジラにどういったテーマがあるのかも明かされていったらいいですね。とりあえず近々前日譚の小説を買いたいと思っています。非常に面白いらしく、これを読んでから映画を見るとぐっと分かりやすいみたいですよ。

それでは今回はこのあたりで、さようならー。