エンタメ感想製作所

音楽や映画、ゲームなどの感想・レビューを素人なりに投稿。専門知識はないけど好きな気持ちは皆平等。

【ディスクレビュー】奇天烈な歌詞と冴えるギターロックが誘う花園ランド バンドリ!花園たえキャラクターソング『花園電気ギター!!!』

こんばんは、僕です。

さてさて、発売されましたおたえのキャラクターソング『花園電気ギター!!!』のディスクレビューです。同時発売されたりみのキャラソンは別記事として書きます。

ラジオで初解禁されてからずっと気になっていたおたえのキャラソン。個人的にはここまでの3枚の中で一番好きな1枚になりました。まさにキャラソンといったこの1枚について、じっくり語っていきます。

 

 

 

花園電気ギター!!!!

花園電気ギター!!!!

疾走感溢れるギターロック

 リードギター担当キャラのキャラソンということもあり、イントロからギターを前面に出したサウンドが楽しめます。全体を通して疾走感のあるギターロックですが、Aメロは少し陽気なリズムになったりと、曲調も少々掴みどころがないおたえに似ているような気もしますね。とはいえ、基本はすごくシンプルなサウンドですので深いことは考えずともかっこいいと思える曲だと思います。

余談ですが、この曲にはキーボードが使われていないようですね。まさしくギターロックです。

 

キャラソン然としたイカれた歌詞

さて、そんなかっこいい曲に乗っかっている歌詞。こいつが相当ヤベェ。こんなにとっ散らかっている歌詞は久々に見ました。

まず歌い出しに『キースやベックやジミヘンも Doki Doki したのかな?』と来ます。突然実在する世界的ギタリストの名前が歌われてことに驚きましたが、ここで僕はまず「あぁ、おたえのギターに対する想いが歌われてるんだろうな」と想像したわけです。実際に間違っているわけではないと思うのですが、この先の歌詞がまったく統一性のないものになるので、一聴した程度では全くなんのことを言っているのか分かりません。歌詞すべてを載せるわけにもいかないので是非ともご自身で確認してみてほしいです。先ほどの歌詞の直後には『うさぎやほっぺたや白玉は Mochi Mochi しあわせだ♪』と歌われますし、サビには『Welcome to the ハナゾノランド!』というキラーセンテンスが待っています。爆笑した。この曲の歌詞、見事なまでにおたえのキャラクター性を表現してくれていると思います。アニメやアプリでおたえを知っている人ならば、彼女は突然素っ頓狂なことを言ったらズレたことを言うキャラだと言うことは理解しているでしょう。この歌詞はまさしくおたえの歌詞です。“歌詞に深い意味は必要ない

” を地で行く感じ、ロックです。

 

自然なおたえの歌声

後述のアコースティックとこの曲では歌い方が大きく違います。これは香澄のキャラソンのときもそうでしたね。 歌い方の差については大塚さんのブログにも書いてあるのでそちらも参照していただけたらと思いますが、『花園電気ギター!!!!』では素に近い自然なおたえの歌声で歌われていると言えるでしょう。大塚さんのブログに書いてあったことですが、家で思いっきり歌っているような感じとでも言いましょうか。この歌声がとても可愛いんです。今までの曲の中のおたえパートでは、結構かっこいいタイプの歌声でしたが、今回は明るくはつらつとした歌い方をしてくれています。こういうのを聞くと「しっかり声優やってるなぁ」となぜか感傷的になってしまいますね。 

そんな歌声の中で個人的に気になっているのが、サビのとあるところ。『花園電気ギター!』の『ギター!』部分です。よくあるアクセントのついた歌い方をしているのですが、聞いた人はきっとこの部分が非常に頭に残っていると思います。この部分、伸ばしの母音が上がり切らずに不安定な上がり方をしているんですよね。ちょっと音を外しているように聞こえるのではないでしょうか? 素直に歌うと母音もしっかり音にハマった状態になると思います。でとここではゆらりとした、音にハマりきらない外したアクセントが付いているんです。しょっちゅう僕が言うことですが、これが“フック”として非常に効果的な役割を果たしていると思います。これがREC時に指示されたことなのか、大塚さんが自ら行ったことなのかは分かりませんが、この歌い方にしてくれてありがとうと言わせていただきたいです。

 

走り始めたばかりのキミに ~Acoustic Ver.~

アコースティックとの相性バッチリな曲

元々この『走り始めたばかりのキミに』はロックチューンではないメッセージソングなので、アコースティックアレンジとの相性が抜群です。実際にアレンジされたものも非常に良い雰囲気の曲に仕上がっていると思います。『ティアドロップス』のような新鮮味はないかもしれませんが、このアレンジがされたことで泣ける要素が増えた気がしますね。原曲に比べ、より心地よいテンポになっているのではないでしょうか。音の賑やかさが落ち着いた分、ピアノの旋律が美しく聞こえてくるのもいいですね。

 

ちょっぴり格好つけたおたえの歌声

前述の『花園電気ギター!!!!』と比べると、歌声が少し大人びたような格好つけたような歌い方になっています。従来の曲の中で使われてきた歌声に近い感じです。これがおたえの“ステージ” での歌なのかなぁという印象を受けました。丁寧に歌い上げている感じがしてとても好きです。これも香澄のときに同じことを言っていますが、演じている声優さんの素の歌声にも近いのではないのかなと。

 僕はこのバージョンの歌い方、ところどころしゃくりあげてるのがすごく好きなんですよね。サビを聞いてもらえるとよく分かると思います。『めくるめく』とか『泣きじゃくる』とかのあたりですね。基本的に僕は大塚さんの歌が好きみたいですねこりゃ。

 

まとめ

今回の一枚は非常に良い一枚だと思います。特に『花園電気ギター!!!!』は凄まじい。こんな歌詞ありかよと笑ってしまいました。これぞキャラソンです。見事に花園ランドへ誘われてしまいました。

また、はしキミのアコースティックアレンジでは歌声の二面性も見せてくれました。地味に声優としての大塚さんが見えてきて嬉しかったです。これから声優としてどんな仕事をするのかは分かりませんが、しっかり声優に向き合ってくれてるんだなぁと嬉しくなりました。

 

おわりに

さて、今回のレビューはこの辺りで終わりにしたいと思います。ちょっと短いような気もしましたが、なにせりみのキャラソンと同時発売なのでそちらも書かなければいけない。なのでそこは勘弁していただきたい。ゆっくり書こうかとも思ったんですけど、それはそれでRoseliaの2ndシングルが来週には待っているのでそうもいかず……。まぁ言いたいことは言えたので問題はありません。

この夏はバンドリ以外にもリリースがたくさんありますし、全部を書くかは分かりませんけど忙しそうです。楽しみだけど大変。お金も大変。シンフォギアのCDなんて毎週出ますからね。ディスクレビューは……ちょっと検討。

 

それでは次のりみのキャラソンでお会いしましょう

 

 

 

 

今一番CDが欲しいバンドをちょっとまとめてみる

どーも僕です。最近マジでレビュー関連しか書いてないので謎の危機感を覚えています。なので今回は趣向を変えて……。最近CDを買いたい欲が燃え上がっているバンドをいくつか並べていこうかなと。まぁ簡単な紹介にはなると思いますが別にレビューとかするわけじゃないです。というか、放っておくと結局買わない恐れがあるので自分への戒めも兼ねて書くつもりなんです。毎月リリースがあるバンドリに忙殺されてはいますが、中古でもいいので是非揃えたい。そんなバンドについてちょちょいと語ります。

 

 

 phatmans after school


phatmans after school「過去現在未来進行形」(from Mini Album『過去現在未来進行形』)Music Video


phatmans after school「メディアリテラシー」

 

まずはこちら、phatmans after schoolというバンドです。夜桜四重奏 〜ハナノウタ〜のED曲である『ツキヨミ』で知っている人は多いかもしれません。

若者の抱える現代社会への葛藤だったりが歌われている曲が多い印象で、上の『メディアリテラシー』は個人的に歌詞が一番好きな曲です。どこを切り取っても凄い歌詞だと思うんですが、『神様は今日も君じゃない 誰かの成功を願ってる』という歌詞が非常に好きなんですよね。全編通して将来を憂う若者の気持ちを書いてるんですけど、ここの救いのなさというか、残酷な現実というか。それが心の薄暗いところを刺激するような感じで、分かるし辛くなるんですよね。けれどそれでも生きていかなきゃ、頑張らなきゃなって最後には思える気がします。

 

GRAND FAMILY ORCHESTRA


GRAND FAMILY ORCHESTRA 「ラバーソウル」


GRAND FAMILY ORCHESTRA「リンディンドン」

 まだ結成から日の浅いバンドですが、非常にクオリティが高くてかっこいいGRAND FAMILY ORCHESTRAを選出。まぁそれぞれ元々活動していたバンドがあるのでクオリティが高いのは当たり前なんですが。2曲ともすごくキャッチーでノリやすいですよね。ギターが3人いるというちょっと珍しい編成なのも目を惹かれます。3人もギターがあると無駄が出てきたりしそうなものですが、このバンドの場合そんなことはなく、豊富な音数を武器にそれぞれがしっかり仕事をしています。エフェクターを使った飛び道具的な音が出てきたりと、聞いていて楽しいですね。同じくギター3本構成のバンド、Hello Sleepwalkersにも同じことが言えると思います。ただ、ハロスリの場合は曲調がメタルを彷彿とさせるような尖ったものなので、このバンドとは差別化されてます。ライブがすごく盛り上がりそうですし、一度見に行ってみたいなぁ。

 

溺れたエビ!

 


溺れたエビ!official : MV【ブクブク ピ!ブクブク ぺ!ブクブク パッ ピッ ポ!】(2016)


溺れたエビ! official acc【 イソギンチャクノ上デ踊レ! 】'14.07.20

 知らない間に名前が短くなってて驚いたという旨をTwitterで呟いたら、メンバーの一人にふぁぼられてビビっています。ちなみに前の名前は『溺れたエビの検死報告書』でした。民族音楽的サウンドの中にデジタルサウンドが混ざったり、ペット隊がいたりと面白い曲が多いバンドです。ビジュアルも相まってサイケデリックな雰囲気も漂ってます。曲によってなんとなくエビ感とかイソギンチャク感とかそういうのが伝わってくるんですけど、これ全然上手く表現できないし自分で書いといて本当に意味分からない。エビ感イソギンチャク感ってなんだ? インストバンドなんですけど、ライブではセンターで棒を持って踊り狂ってるエビがいたりして曲もステージも賑やか。

 

大石昌良


大石昌良「ファイヤー!」Music Clip

 


Sound Schedule 【PV】 ピーターパン・シンドローム

 バンドじゃねぇ。まぁSound Scheduleはバンドなんでおあいこってことで。アニソン界隈でもすっかりお馴染みの大石昌良さんです。大石さんの作るアニソンはもちろん素晴らしいんですけど、やっぱりソロ活動の楽曲のCDを集めたい。卓越したソングライティング力と超絶アコギテクを駆使した多種多様な名曲が揃ってます。元々はバンド活動していたからか、弾き語り曲でも弾き語りの手数ではないような複雑な曲を作ってたりします。これを引いて歌えるんだからすごい。とにかく音楽的に器用な人だなと随所で思います。

 

伊藤美来

 


Shocking Blue / 伊藤美来

 もはや声優。うるせぇバンドサウンドが鳴ってるからいいんだよ! 周知の通り僕はオタクなんでアニソンもたくさん聞きます。声優オタクの側面も強いので、声優アーティストの曲も好んで聞くんですけど、ここ最近聞いて一番ビビッと来たのは伊藤美来さんの『Shocking Blue』です。ブラスサウンドが光る曲なんですけど、僕はホーン隊がバンドサウンドに加わっている編成がとても好きで、聞いた瞬間すぐ好きになりました。1stシングルは彼女のイメージに合った、声優アーティストらしい可愛げのある曲だったのが、2ndで早くもかっこいい路線の開拓を始めた感じです。独特な声と曲のギャップもいいですね。声優アーティストは声の魅力を際立ちますよね。

 

 

 

はい、以上が今最もCDが欲しいバンドでした。後半バンドじゃなかったですけど。CD欲しいアーティスト自体はたくさんあるので一応選りすぐりを選出しました。アニメとあんまり関係ないところから選んで行こうと思っていたのに、結局半分以上がアニメに関係してしまいました。バンドとアニメの結びつきって昨今特に強いですし仕方ないね。今後も気が向いたらこんなことをやるかもしれません。よかったらみなさんも聞いてみてくださいな。それではさようなら。

 

【ネタバレ注意】ド派手で綿密な映像表現が魅せる、壮大なSF世界 BLAME!感想・レビュー

こんにちは、僕です。

先日遂に話題のBLAME!を見てきました。SF作品はあまり見る機会がなかったのでどんなものかと思っていたのですが、サイバーパンクな世界観が恐ろしくもありかっこいいとてもいい映画でしたので、久々に映画のレビューを書こうと思います。一応ポッピンQからこれまでの間にもいくつか映画館に足を運んで映画を見る機会はあったのですが、忙しかったこともあり書く機会を逃してしまったので、今回は書けるうちに早めに書いてしまいましょう。劇場公開は2週間限定だそうですが、もしかしたら延長や再上映といったこともあるかもしれませんし、その時の参考にでもなればと思います。

 

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個人的ポイント

 

必見の映像表現

個人的にSFの要は『世界観』とそれを表現した『映像』(作画等含む)だと思っています。その点について今作は優れていると思います。際限のない増築が進められる都市は圧倒的なスケール感と共に、目的もなく拡張された人間の姿はない鋼鉄の世界の冷たさみたいなものも感じられます。また、3DCGの特徴を生かしたキャラクターたちのスピード感のある動きやアクションもかっこよかったです。特に大量の駆除系セーフガードが迫ってくるシーンは非常に気持ちが悪くて最高だと思います。見た目もさることながら、動きが生理的な気持ち悪さを感じるいいデザインしてると思います。また、霧亥が扱う重力子放射線射出装置の威力を表現する過剰なまでの破壊・爆破演出もよかったです。映画館という抜群の音響施設でこのシーンを見ると凄まじさ割り増しで伝わると思います。僕は例によって立川シネマシティの極爆上映で見たのでそれはもうすごかったです。『画集』とまで評される原作の描き込み再現に、CGという媒体は適任だったのかもしれません。

 

映画用に再構築された物語

 今作は原作として漫画が存在しています。僕は読んだことがないのですが、そのまま映画尺で映像化することは不可能なほどの情報量やスケールの大きさだそうです。SFですしそこは当たり前ですが、今作は特にその傾向が強いようです。また、そもそものストーリー自体も、霧亥がネット端末遺伝子を持つ人間を莫大な時間をかけて探し続ける旅の物語であるため、映画にするには難しいものらしいです。なので今作は原作のエピソードの一つである電基漁師の話をアレンジし、原作に内包される人間ドラマを浮き彫りにし、一つの作品として仕上げたものになっているそうです。

物語のスケールの大きさ自体はそのままに、ストーリーの焦点を絞った結果、見ていて何が何だか分からなくなるというような難解さはなく、原作を知らない僕でもスッキリ見ることができました。逆に、原作を知らないからこそ映画用のアレンジが気にならないため、内容に対する違和感も感じませんでした。劇中では詳しい説明はされないテクニカルタームも出てきますが、それも映画を見ていればなんとなくどんなものかは想像ができるように構成されていました。原作未読者やSFがあまり得意でない層も楽しめるようにこういった再構築を行なったそうですが、実際に完全初見の僕もとても楽しめました。タエに化けたサナカンが正体を明かすシーンからの流れは絶望的で恐ろしかったですし、霧亥が煙の中から飛び出しサナカンを殴りつけるところはすごくかっこよかったです。知ってたらこの興奮は味わえなかったかな。

 

づるが可愛い

重要。ヒロインが可愛いか否かは重要。今作のヒロインのづるは非常に可愛いです。彼女に限った話ではありませんが、登場人物全員がCGアニメーションとは思えないほど表情豊かなのでとてもよかったですね。僕は個人的にそれほどCGアニメが得意ではないのですが全く気になりませんでしたね。こういったサイバーパンク作品とCGの相性もいいんでしょうね。原作では数あるエピソードの一つに過ぎない話ですので、づるは別段ヒロインではないわけですが今作でばっちりヒロイン。霧亥に助けられた後にヘルメットを外した時の表情めっちゃ可愛かった。雨宮天さんのファンの方々、当たり前ですけどづるはとても出番が多いので是非見ましょう。

人間ドラマを浮き彫りにして作ったと言われているだけに、霧亥に惹かれるづると、それに嫉妬を見せる捨造などなど、づる以外のキャラクターもそれぞれ心の揺れ動きがあったりして面白かったです。

 

まとめ

SF好きは見にいって損のない内容ではないでしょうか。原作ファンの方は再構築された物語への違和感等あるかもしれませんが、僕のような未読者の方で気になっている方は是非見に行ってみるといいと思います。非常に壮大な内容ですので明らかに映画の中だけで全て丸く収まる結末はないだろうな、と思っていたのでどうまとめてくるのか気になっていましたが、僕としては上手い落とし所だったんじゃないかなと思います。でも、すっきりとした結末が好きな方は煮え切らないところのある終わり方かもしれませんね。

 

おわりに

さて、そんなわけで書いていきましたBLAME!の感想もここらで筆を置こうと思います。パンフレット欲しかったんですけど金銭面的理由で断念せざるを得なかったのが悔しいです。2週間限定公開というのももったいないので、延長なりしてくれないかなーと思うところです。あまり詳しいジャンルではなかった上、原作未読だったためあまり上手く感想を書かなかったと思いますが、とにかく良かったということが伝わってさえくれれば満足です。残り僅かな上映期間ですので、迷っている人はすぐに見に行ってみてください。それではまた次の記事で。